モスクワ滞在中、一度ならず口にした気がするのが、――スケジュールなしで旅に出たいなぁ
というセリフ。
もともと放浪癖に近いクセがある。
読んで字の如し、
心を亡くすほどにつらい忙しさになると、
ふらりと一人旅に出る。
発作的に休暇をとって夜行列車に乗り、
車を借りてひたすらに海沿いの一本道を行く。
たどり着いた都井岬で、
水平線に沈みゆく夕陽をただぼんやり眺めながら、(辞めよう。)
と静かに決めたのが、最初の放浪だった。
このとき辞めたのは、制服を着ていたころの仕事。
「やってみたい仕事」と「やりたい仕事」は違うことを思い知った。
「やりたい仕事」と「やらせたいと思ってもらえる仕事」も違った。
いまは「やりたい仕事」だから、許容範囲は前より広いくらい。
それでもやっぱりキツイ日々が続くと、旅に出たくなる。
何にも誰にも追われない、失踪みたいな旅がいい。
博士課程のクラスメイトのブログに、こんな記事があった。
http://mmmmasao.exblog.jp/tb/9108683
7ヶ月の無計画旅行。 うらやましい。
文京シビックホール『NORMA』公演(2009.02.08)
指揮:苫米地英一