ヒイラギ日記 ~Holy Holly's Diary~

小粒でも ぴりりと辛い 博士な日々。

稽古納め2008

2008-12-28 22:16:00 | 芸能人ヒイラギ

スケジュールが合わなくて辞退した舞台も多かった割には、
演奏会向けの練習に追われて思うように稽古が進まなかった今年。

オペラ『Carmen』の本番を終えた夜、
もらった花束を三絃がわりにしてロシア公演の暗譜曲を思い出していたりした。

予算がおりて仕事が本格的に動き出す秋口からは、
まったくと言っていいほど練習時間が取れなかった今年。

仕事から帰宅した深夜には、爪をはめずに琴を、撥を持たずに三絃を、
モスクワのホテルで先輩がシャワーを浴びてる間には、
仕事のメールを書きながら次の演奏会の曲を、さらっていたりした。

疲れが極限に近づいてくると、
帯状疱疹の後遺症が残る左手の感覚がなくなり、
夏に爆発した腰爆弾が不穏な気配をのぞかせる。

焦りばかりが先にたつ。 苛立ちが募る。
やってもやっても足りない気がして、
いつまでも練習がやめられなかったのが、昨日。

そして今日。

「ここは難しいから、今それだけ弾けていれば十分」

今年最後の師匠の言葉に胸をなでおろす。
どんなに“それなりに”でも、努力していれば労ってくださる。
自然に、頭が下がる。

今年も一年間、ありがとうございました。

芸の道とは、師匠の人となりに教わる道。
芸の道とは、音の響きに表れる自分の人となりを磨きつづける道。

コメント
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