国民,とくに若者に向けて外出自粛のメッセージを届けようと,首相が発信したツイッターが大いに波紋を呼びました(呼んでいます)。内容は,私邸で愛犬とたわむれてくつろぐ姿も入れ,歌手・俳優の星野源さんの動画と合わせて紹介するというもの。
反応には「いいね」以上に,批判・反発が圧倒的に多かったとか。貴族気取りが,現場で汗水を流して動いている人や,家庭にいてもゆっくりなんかしておれないじれったさを抱えた人たちの気持ちを逆なでにしたのです。
動画の内容に無神経さを感じた人は,わたしも同様で多かったはず。雑巾を手にしているとか,トイレ・お風呂掃除をしているとかだったら,まだしも。
事あるごとに「医療関係者をはじめとしていとわずに全力で……」とメッセージを発しながら,庶民の生活感覚に思いを馳せるだけの慮りが見えません。身を切るような現場の悲痛さ,生活実態を理解しようする姿には程遠いのでは? いのち最優先のリーダーだったらなあ。
この出来事から考えたことを少しばかり書き留めておきます。
その1。民主国家ではリーダーは庶民の声を見失っちゃダメ。
首相の側近といわれる人が動画作成・発信に関わっていると想像できます。その人の慢心ぶりが見えて来ます。ただでさえ,森友問題,サクラを見る会,ヤジ問題等々,その驕りぶりが批判されてきた経緯があります。慎重な言動が求められてる中,どうして,みんなで多くの国民の共感が得られる内容に仕上げられなかったのでしょうか。庶民感覚との遊離が激しいですね。懲りない皆さんに見えます。