自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

春! 虫の目写真シリーズ(35) ~ヤマザクラ~

2020-04-17 | 

サクラの季節はとっくに過ぎ去りましたが,どうしてもヤマザクラについて触れないわけにはいきません。

これまで周りの山に咲く淡いピンク色のヤマザクラを眺め,春色の装おいをなんとなく愛でていたように思います。これが今年は肌で,その花の見事さに感じ入ったように思うのです。

きっかけはソメイヨシノとヤマザクラの花が並んで咲いているのを見たことによります。ソメイヨシノは一言でいえば華々しさがお似合い言葉であるのに対して,ヤマザクラは清楚さがぴったりだと感じます。これでもかこれでもかと競い合って咲く花,適当に散らばって品よく咲く花,この違いはどうしようもありません。

 

ヤマザクラは,花と若葉が仲よく相並んでいます。赤茶色をした若葉のなんと初々しいこと! 環境に溶け込んで雰囲気を和らげている感じがします。野生種ならではの趣とでもいえるでしょうか。

 

野生種なので昆虫を仲立ちにして種子をつくり,たくましく生き延びていきます。ソメイヨシノよりもずっと長く長く。澄み切った流水が開花を祝っているよう。

 

川面がキラキラと宝石のよう。

 

ヤマザクラはいいなあ。

 

   もろともにあはれと思へ山桜花より外に知る人もなし (前大僧正行尊)

 

 


凡人,"コロナ"デマとの向き合い方

2020-04-17 | 随想

わたしは凡人。人間的ないろんなセンスにおいて,まったく月並みな人間。行動もそう。社会的地位もごくふつう。わたしのような人はほとんど人の数だけいそう。

凡人は,だから,いろんな事例・事象に出くわして,そして見聞してそれらを経験則にしながら,ものの考え方や感じ方を鍛えるほかはありません。それでも,誤った判断をすることが往々にしてあります。いつも自分点検を怠らないよう心掛けておきたいと思います。

そんな中で,近頃印象に残った例を三つばかり。

その1。K県の副知事がデマ拡散に乗っかかってしまい,謝罪したという新聞報道(下赤字記事)。

この情報は、日本赤十字社医療センター(東京)の医師をかたり「私の病院のコロナ病床は満床になりました」「現場ではすでに医療崩壊のシナリオも想定され始めています」などとして、拡散を呼び掛ける内容。(略)知人から届いたメッセージの真偽を確認せず、ラインで「1人でも多くの人に拡散してほしいとのこと」と書き添え、県幹部や友人ら10人程度に拡散した。受け取った人が「副知事からの情報です。皆さん参考にして下さい」と付け加え、さらに広めたという。報道機関からの指摘でデマと分かった。

こういう立場にある人でさえ一私人のレベルでは,こんなふうにデマ情報に踊らされてしまうのです。凡人は気をつけなくちゃ。

その2。知人から「市内の〇〇地区で新型コロナウイルス感染者が二人出た。受診した医院はそのことで休診中」との電話連絡。感染者によっては居住地を明らかにせず,保健福祉事務所管内という枠で報道されます。たまたま市内にある医院が臨時で休診していたようで,これが感染者発生という事実と合わさってデマとなり,拡散したのです。わたしは,この話を複数の人から直接耳にしました

デマはあっという間に拡散していきます。怖い,怖い。

正しい判断を下すには信頼できる情報源を得るほかありません。凡人は気をつけなくちゃ。

その3。2月,わたしの家族に知人から送られてきたチェーンメールのことで。内容は以下(下赤字記事 原文通り)。

 

コロナウイルスについて私の友人の娘さんからの情報です(ニュージーランド在住) 兎に角自己防衛 このウイルスは耐熱性に乏しく26~27℃で死滅するのでたくさんのお湯を飲むこと冷たい水はダメ温かいお茶のカテキンで殺菌 体温より高いお湯で入浴して免疫力をアップすること 潜伏期間は27日くらいと思った方がいい これから3月にかけて爆発的に流行するかも となりの人も感染していると思っていいくらい 以上 もしよかったら拡散してください 頑張りましょう!

 

後日ある方から,この内容とそっくりな話題がテレビ番組で取り上げられていたと聞きました。専門家は全部嘘と断言していたとか。やれやれ,ほっ。

凡人はますます気をつけなくちゃ。

善意のつもりでデマを拡散する人があります。これは凡人。デマが拡散するのをたのしむ人がいます。こちらは凡人でも愉快犯。どちらにもなりたくない! 情報との向き合い方を誤ったら,自分がデマの拡散に加担してしまうかも。改めて自省の気持ちも込め,一層凡人としての立ち位置を思いつつ今を生きていこうと思います。