自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

サツマイモの花!(4)

2015-10-25 | 

今度は,花弁を取り去って蕊の様子をかんさつすることにしました。撮影にあたっては,蕊に立体感をもたせるために横方向から光をあてました。 

花の咲き始めでは,オシベがメシベをしっかり包むようにしています。このとき,メシベは受粉可能な態勢なのでしょう。一方,オシベの葯はまだ閉じられていて,花粉がはじき出されていません。


時間が経つにつれ,オシベがメシベからわずかに離れつつ,葯から花粉がこぼれかけます。花に入った昆虫がまずからだに付いた花粉を柱頭に付けます。奥にある蜜を得ようとからだを突っ込んだとき,そのからだに花粉が付きます。この花粉は他の花に運ばれることになります。

こうして受粉が確実に行われるとともに,近親交配が避けられることになります。おおよその解釈は,これで当たっているでしょう。したがって,サツマイモの花ではオシベ・メシベの高さがちがっていることがとても重要な意味をもつと思われます。 

 


柱頭をよく見ると,無数の凹凸面で成り立っていることがわかります。ただ、デコボコといっても、実際はどんな様子なのか、写真ではじゅうぶんにはわかりません。花粉をより確かにキャッチする構造だということだけは、はっきりしています。 


部分拡大してみましょう。 柱頭の横幅は1.1mm。目を凝らして見ると,表面に微細な毛が生え揃っているようにも見えます。このレベルになると,もう顕微鏡を必要とする世界になります。なお,粘液らしいものが分泌されているようには見えません。 

   
初めて見る,サツマイモに隠された微小世界です。レンズをとおして,驚がくの事実が見えてきました。

それでは,人工授粉のつもりで花粉を柱頭に付けてみたら,なにか変化が見られるのでしょうか。思い付いたらなんでもチャレンジ! 結果は次回に。