自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ベニシジミの産卵

2015-10-11 | ベニシジミ

10月9日(金)。観察のタイミングがよくて,偶然印象的な場面が目撃できることを“観察運がよい”と言い表すことができるとすれば,今日の例もその一つに入るでしょう。

勤務中に施設周辺で整理作業をしているとき,敷地の片隅に生えたスイバの傍を通りかかりました。すると,葉にベニシジミがとまっていました。ふつうならそう気にはしないのですが,様子と翅の傷み具合から「ははーん,産卵だな」と直感。すぐに腰に携行しているカメラを取り出して撮影の準備にかかりました。

モードは接写。チョウはすぐに産卵に入りました。産卵孔を葉の表面に付けると,その先に卵の姿が見えかけました。「スゴイ!」。


もとの姿勢に戻ったとき,そこには産付された卵が一粒ポツリ。チョウの姿からは,なんだかヤレヤレといった感じが伝わってきました。


飛び去ったあと,特徴ある表面模様をもつ卵が残されていました。写真を子どもたちに見せると,「ゴルフボールみたい」といっていました。納得です。


近くの葉に卵はないか,探してみました。すると,すぐ隣りの葉に1つありました。


成虫の翅は確かにずいぶん痛んでいました。生きてきた苦労が伝わってくる痛みようです。必死で卵を産み付けて使命を全うするつもりなのでしょう。ベニシジミの越冬態は幼虫。孵った幼虫は,そのまま寒さを乗り越え,そうして春を迎えるのではないでしょうか。

 


庭のレモンの木では今(1)

2015-10-11 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの庭園にあるレモンの木。大して背は高くなく,今年やっと実が一つ生った若木です。それに,アゲハの仲間が結構訪れて卵を産付していきます。今秋はスゴイ状況です。アゲハ,クロアゲハ,カラスアゲハが一堂に会しているといったふうなのです。全部で10匹は数えるはず。

木から降りてあちこちで蛹化すると観察・撮影に差し支えるという,たった一つの,わたしの身勝手な都合を考えて,幼虫を葉ごとビニル袋で覆うことにしました。こうすると,袋の位置で蛹になるでしょう。 


そのとおり,まずいちばんに前蛹になったクロアゲハの個体があります。

10月7日(水)。個体を観察していたら,寄生バチのアオムシコバチが1匹。2年前の本ブログでも同じ場面を報告しました。 


どうやら体内に産卵しそう。あるがままの成り行きなので,そのままにしておくほかありません。 

 

 
10月8日(木)。前蛹が蛹に。帯糸が外れて,ぶら下がっていました。そして,昨日見た寄生バチがまだいました。

 

 
いずれ個体に異変が起こりそうな気がします。このまま順調に推移するとすれば羽化は来春になると思われます。