自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

サツマイモの花!(5)

2015-10-26 | 

今度は,柱頭に花粉を付けて付けて観察することにしました。人工授粉の要領です。白い柱頭に、白い花粉を付けるのですから,なんとも輪郭がはっきりしない光景が開けます。それで,光を横から当ててみました。

 

 
花粉がどっさり付きました。柱頭の大きさと比べると,はるかに小さい球形をしています。直径は0.05mm。表面の模様はもっと拡大しなくてはわかりません。

 


授粉後24時間が経過してから観察しました。観察風景は驚くべきものでした。柱頭の色がすっかり褐色に変化していました。それを支える花柱及び花粉は白いまま。もしかすると,受粉しなかったらこうも早く変色しないのかもしれません。

 


柱頭に付いた花粉は,花粉管を出し,花柱にある通路に入っていきます。管の先が子房にある胚珠と受精して,種子形成への道を歩むのです。わたしは,鉄砲ユリの花粉管を観察した経験があるだけですが,花粉管が動きながら伸長する様子は驚きの何ものでもありませんでした。今も鮮やかな記憶として残っています。

48時間後。柱頭あたりの色合いに変わりはありません。ただ,花柱が傾いてきた点を除いては。


柱頭を拡大してみると,さらに驚いたことに,かたちが詳しくわかりかけてきたのです。柱頭はイガグリ状の球がかたまっています。花粉の表面は突起がたくさん!

 


仰天! 「ほほーっ!」の世界が開けています。

やってみなくちゃ、わからないものです。わかったつもり,ただ見ただけ,そんなうわべの見方をしているだけでは自然は扉を開いてくれません。 

人工授粉させないで,そのままにしておくと柱頭の変色のしかたはどうなのか,知りたくなってきました。やってみます。