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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

スギナ紙!

2015-08-12 | 野草紙

ツクシは,スギナが繁殖のためにつくる胞子嚢。そのスギナがいったん侵入すると,農薬を使わずに退治するには相当の熱意と時間を要します。地下茎でどんどん広がって勢力を拡大するためです。

このスギナを地下茎も含めて採集し,紙をつくることにしました。量は,ぎゅっと固めて両手いっぱい程度。


繊維はけっして強いとはいえません。長いわけでもありません。ぼそぼそっとした感じ,ということばがふさわしいかもしれません。茎を両手の指先で揉むようにして千切ると,あっさり切れてしまいます。揉んだ部分をルーペで観察すると,水けを含んだ繊維が確かに見えます。からだが繊維でできているのですから,スギナも紙になります。

これまでつくってきた紙と同じ要領で挑戦です。

取り出した繊維を団子状態にします。それを分割すると,繊維が観察できます。

いよいよこれを水に溶いて漉きます。

湿紙を乾かして,得られたのが下写真の紙です。A4サイズ。手触りは,他の野草紙とちがってソフトな感じがします。


ステンレス網から剥がして,裏面を見てみましょう。色合いが異なって,薄い緑色をしています。ある程度日が経つと,褐色に変化していきます。これは光や空気の影響なので,防ぎようがありません。


できた紙の使途でいちばんに思いついたのは,写真のマット紙です。なかなか粋に思われますが,いかがでしょうか。