自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

オニユリの花紙!

2015-08-13 | 野草紙

オニユリの花から紙をつくるのは,そうむずかしいことではありません。大きな花には弱くても長い繊維があるので,紙がつくれるという見通しが立ちます。問題はそれを集めることができるかどうかです。夏の野にはごくふつうに咲いている花なのですが,開花時期を逃すともう手に入りません。7月中には紙作りを済ませておくつもりでチャレンジします。


花が萎むと落下します。水分を失ってカサカサしています。それも大事な材料になります。指先で揉んでみると,意外に強い感触がします。それは繊維がからだをつくっているからなのです。開花中の花,落下した花,織り交ぜて採集します。花弁だけでなく,蕊も使います。花の数にして30ぐらいあれば,葉書サイズの薄手の紙が漉けます。

炭酸水素ナトリウムを入れて30分程煮ます。煮終わった花を水洗いして,手で揉んでバラバラにします。花の姿がある程度残っていてもへっちゃらです。むしろその方が,できあがったときにオニユリらしさが醸し出されていてたのしいと思います。

繊維を団子状にしてみましょう。


さっそく漉きました。


漉いた日の夕方には,もうかなり乾いています。


翌日には,完全に乾燥しました。元の花が想像できる,おもしろい紙が完成! 厚みがあれば葉書にも使えます。


「まさか,ユリの花から紙なんて!?」。そう驚かれる人は多いはず。