自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マリーゴールドの花紙!

2015-08-16 | 野草紙

マリーゴールドの花は夏の花壇や通りを彩る,おなじみの花です。「その花から紙が漉けないか」。そんな話が届きました。花にかたちがあるのは植物繊維があることを意味しますから,なんとか漉けるでしょう。

さて,問題は紙材料にするだけの量が入手できるか,です。じつは花といっても開花中の元気な花を使う必要はなく,枯れて萎み始めたもの,すでに萎んでしまっているものを使いたいのです。それなら,花壇で植えていらっしゃる方に事情を話して分けてもらうか,通りのプランターに植わった花を整理してあげるつもりでいただくか,そんな入手方法が考えれられます。

どうしようかと思っていたちょうどそんな頃,たまたま所用でフラワー園に行く機会がありました。園の花壇にはどっさりマリーゴールドが植栽され,今を盛りとばかりに鮮やかな黄や暗赤の花が咲き誇っていました。そして,次々に開花しては,萎み枯れていく姿がありました。それをいただくことに。といっても,両手を広げて山盛りいっぱいといった量です。

摘んだのは黄色の花。褐色あるいは茶色に変わってゆく花をつまんで引くと,下に付いた種子まで一緒に取れました。マリーゴールドはキク科植物なので,種子に綿毛があるのが特徴です。一度でわかるのですが,この種子をいちいち取り除いていくのは誠に面倒な作業に思えます。種子も花のうち,どうせ紙にするのだから種入りの紙ができるのは意外性があっておもしろいのでは? そんなふうに思い,種子ごといただくことにしました。

そうなると,花摘みの作業はあっという間に終了。


持ち帰って,さっそく煮込みました。あとの手順は基本どおりに行いました。煮込み終わった花を洗っていると,種がたくさんあります。「これはおもしろそうだ」と,ほんとうに思えてきました。


あとは漉くだけ。

湿紙の表面には種子が原型のままどっさり。それもアクセントとしての意味がありそうです。

乾くと,りっぱな紙が! 


種に付いた綿毛も繊維です。花弁にも,頼りないながら繊維があります。紙にできないわけがありません。こうして,ゆかいな風合いのマリーゴールド花紙ができあがったのです。