自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その348)

2015-08-23 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの若齢幼虫は,ときに複数でかたまって生活しています。「ときに」というよりも,「ごくふつうに」と言い表す方がピッタリかもしれません。素人判断で,これを群集性とか,集団性とかと呼んでも差し支えないと思います。

この生態については,これまで度々取り上げてきました。ふしぎな程に,そのかたまり具合が印象に残ります。ガの幼虫である毛虫がかたまっているのを見かけるのはよくあること。しかし,アゲハ類でこうした例はあまりないでしょう。

8月22日(土)の早朝,アゲハの庭園で,たまたまジャコウアゲハの幼虫のかたまりを目撃(下写真)。

 


これまでの観察事例と比べると,孵化時期がピタッと一致しているかのような風景なのです。卵の殻を食した後の形跡が同じです。一斉に孵化したかのようです。ということは,8匹いますから,8匹きょうだいになるでしょう。それにしても,食欲満点で全部平らげたなんて,大したもの。行儀のよさ(?)が光ります。

このように群れでいることは,なにか利点があってのことと思われます。わたしの想像では,外敵から身を守る効果があるように思います。かたまっていると大きくで目立つのですが,外敵にとって大きく見えるものは襲いがたい存在になるのかもしれません。それに,仮に襲われても,全滅することはすくないはず。

そんなことを思ってか,ジャコウアゲハの成虫は本能的に卵をかためて産む傾向が確かにあります。自然は多様で,観察者には日々驚きが続きます。