自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

カンナの花紙!

2015-08-14 | 野草紙

カンナの花は夏にふさわしいなあと強く感じます。赤い花はとくに,花言葉“情熱”にぴったりじゃないでしょうか。


大きな花弁は,じつは花弁でなく6本のオシベのうち5本が変化したものだそうです。本来の花弁は小さくて,たった1枚。まったく目立ちません。オシベとして役目を果たしているのは1本ということになります。それだけ,オシベを進化させてでも花を目立たせて昆虫の気を惹こうという作戦のようです。

さて,このカンナの花を使って紙をつくってみます。集める対象は,枯れていたり,枯れかけていたりする花。それに花を包んでいる萼(がく)も一緒にすることにします。

まずは水洗いから。


煮熟時間は1時間程度。液が黒く濁ってきます。現れた純粋繊維はもちろん白色なのですが,他の成分も入れると全体は黒褐色を基調とした色合いです。これほど黒っぽい紙料は数多くありません。萎びた花を使ったためか,アルカリと花の成分とがなんらかの化学反応を起こしたためか,いずれかと思われます。この工程作業をだれが行っても,同じ結果が得られるでしょう。

出来上がったのが下写真の紙です。

 

 
長い繊維がたくさん見えます。繊維が長いと丈夫な紙になります。色合いは確かに意外性を感じさせます。