自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

夏の『虫の目写真』あれこれ(3)

2015-08-01 | 随想

撮影場所は前回と同じ公園です。

ここにいくぶん広い芝生広場があります。芝生とはいえ,雑草がすっかり入り込んでいて,丈が伸びるとじつに雑多な雰囲気がします。そこは,訪れた人がふつうに入れ,寝転んだりボール遊びに興じたりする空間です。草が伸びると利用しにくいので,定期的に草刈りが行われています。

その広場が意外に昆虫の生態観察に役立ちます。

トンボが休んでいました。シオカラトンボのオスです。近寄ると,こちらを外敵と察知して飛び上がりましたが,そっと見ていると元の場所に戻ってきました。どうも,元に戻るという習性があるようなのです。トンボにすればのびのび暮らしていける環境なのでしょう。この写真を撮ったときは,その後,まったく逃げる気配がありませんでした。 

 
ツマグロヒョウモンは頻繁に見かけるチョウです。ちょうど産卵行動の最中でした。草原にしきりに降りて卵を産み付ける姿勢をするのです。動きを見ながら,撮影のチャンスを窺います。地表に降りると,すみやかに近づいてそっとレンズを向けます。気づかれることもありますが,気づかない場合があるようです。運がよければ,すぐ目の前で産卵をすることあります。


シロツメクサにベニシジミがいました。変な格好をしているなと思いながら近くに寄ると,なんとアズチグモに捕まっているのでした。クモはわたしに気づいているはずなのですが,逃げる素振りを見せません。あくまでベニシジミを餌食にするぞという決意みたいなものが,その姿勢から伝わってくる感じでした。


これらの写真では,科学館の建物を写し込むことを念頭に構図を決めました。建物は中央上付近に見えています。 空を雲が覆っていたので,すこしわかりづらいかと思われます。直後,夕立に見舞われました。雷付きの,びっくりするような夕立でした。