自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

夏の『虫の目写真』あれこれ(6)

2015-08-10 | 随想

神社の境内にて。

アブラゼミを撮りました。ときには,こんなふうに,たくさんのアブラゼミが木の根元付近に集まってくることがあります。このセミはクマゼミと比べて警戒心がかなり強く現れます。わたしの姿を認めたら,途端に逃げます。落ち葉を踏みしめるわずかな音ですら!


それで写真を撮るときはよほど慎重に近づかないと,格好の撮影条件を逃してしまうことになります。姿を気づかれないように,足音を立てないように,ほんとうにそっとそっと近づくのです。うまくいけば,夏のわずかな期間,精一杯生きている姿が切りとれます。 


梢の葉が光を遮っています。辺りは薄暗いので,ファインダーを覗いても被写体のセミはほとんど見えません。そのため,あらかじめ明るいところで距離を勘案してピント合わせをしておきます。撮影時は,左手はレンズの鏡胴先,右手はカメラ本体を保持。もちろんフラッシュを使用します。フラッシュは鏡胴に装着しています。

そうして目視でレンズとセミとの距離を計りながら,適当にシャッターを切ります。適当とはいえ,「どうかうまくいきますように」と祈る気持ちで。下写真では,シャッターを切った瞬間,ちょうど太陽光が複眼のずうっと上の幹に当たっていました。結果,複眼がくっきりと見えます。  

 


同じ位置にいるセミを,別の方向から撮ると,また雰囲気が違ってきます。 

 

 
地面近くにいるアブラゼミが口吻を突き刺していました。これは樹液を吸っているのです。

樹皮の奥のほうに突き刺しているわけではなく,ごく表面近くです。口吻は筒形になっていて,それに保護されるようにして中に3本のストローが入っているのだそうです。

 


レンズをとおしていろんな姿が伝わってきます。おもしろいぐらいに。