下向きに開いた花を見上げながら,中を覗いていくと,クモが一匹。ウロコアシナガグモです。一年ぶりに再会しました。といっても,同一個体ではないでしょうけど。そのときは,マンサクの花でキタオオブユを捕らえて食している最中でした。
ウロコアシナガグモはごくふつうに見られるクモです。緑がかった体色,金属光沢などが特徴として挙げられます。網を張って獲物を捕獲するほか,枝や花にいて直接獲物を捕らえることもあります。
この日は,ロウバイの花の中。そこにいて,獲物が来るのをじっと待っていました。結局,一日獲物を待ち続け,なに一つも捕らえることはできませんでした。
いい匂いのする空間で,じっとしているだけでも心地よいでしょう。もっとも,クモの嗅覚にこの匂いがどんなふうに受けとめられているのか,それはわかりません。
じっとしているように見えますが,ときどきは脚の位置を変えたり,場所を変えたりしていました。
どこからやって来たのか,この木にどれほどのなかまがいるのか,そうした疑問に直接結び付く情報は今のところ得られていません。