hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

卒業式

2007-03-16 21:44:36 | 日常
今日は洗足の卒業式だった。私も四年目にして初めて卒業式に出席した。
四年間でようやく見慣れて名前も覚えた学生たちがもう卒業してしまう。
それは当然のことではあるが、それにしてもみんな袴姿で前田ホールにあふれんばかりに集っている様はそれだけで圧巻だった。

恥ずかしながら今日の卒業式で初めて学長を拝見した。
今日の式では、初めて見るサプライズに度肝を抜かれつつ、これからいばらの道を進むであろう卒業生たちの新しい門出を影ながら祝い、幸運を祈る一日だった。

指の独立

2007-03-15 21:42:47 | sax関係
「指の独立」という言葉はピアノの世界ではよく聞くが、指がそれぞれ独立して動くと考えるというより、腕や身体が連動しないようにするための意識で、すなわち身体からの独立なのだそうだ。
音階を練習しているときには指、姿勢、呼吸、息の通り道など独立してとらえられているが、曲の練習や本番になるとそれどころではなくなってしまう。
仕方のないことだとは思うが、時間をかけてこの感覚を持続できるようしたい。

セクエンツァ7bは「H」を中心にして波形を描くような旋律が多いので跳躍が激しい、またダブルタンギングは必須だ。

ダブルトリル

2007-03-14 21:37:54 | sax関係
昨日のセクエンツァ7bの続き。
楽譜5段目1小節目の「ミ」と「ファ」のダブルトリルは、今まで4のキーを右手親指で押さえ、5のキーを人差し指、中指でダブルトリルしていた。
しかし、楽器がうまく支えられず、本当は親指まで使いたくないと思っていたのだが、よく考えてみたら親指を使わずとも、中指と薬指でもできることが今日になって気がついた。

でも慣れてないためか指がスムーズに動かない。

5段目6小節目のムルティフォニックを伴ったダブルトリルでも応用できるがこちらは小指も押さえているので本当に難しい。
これも指の独立なのだろうか。

セクエンツァ

2007-03-13 22:20:09 | sax関係
5月の来仏ではパリ国際大学都市の日本館を皮切りに4ヶ所で演奏会やマスタークラスを行う予定だ。
詳細はまた近々。

その日本館というところを私はよく知らなかったのだが、調べてみたらホームページがあった。

パリ国際大学都市 日本館

そこではジェローム・ララン、白井奈緒美さんとジェロー・エトリヤール氏(Géraud Etrillard)が共演してくださり、それぞれのソロや四重奏を演奏する予定だ。
私はベリオのセクエンツァ7bを演奏する予定で、最近練習をはじめた。

この曲には「ダブルトリル」という奏法があり、二つの指を使用して機械的に急速なトリルを行うというもの。
それ自体は難しい奏法ではないが、場合によっては右手親指を離してキーを押さえなければならない。
指がもう一本ほしいと思う部分だ。

必要経費

2007-03-12 22:11:59 | 日常
ようやく確定申告書を書き終えた。
申告書自体はすぐ書けるのだが、必要経費等の計算が大変なのだ。
これも普段からチェックしていれば問題ないのだが、いつも6月以降がほったらかしになってしまう。
今年など既に1月から何もしていないので、来年も思いやられる。

当然だが必要経費の計算をしていると、一年間でどれくらいリードを買ったかなどわかってくる。
ちなみに昨年中リード、マウスピース、楽譜をどれくらい買ったかというと以下のとおりだった。


リード(計28箱)
sni 2
s 4
a 13
t 7
b 2

マウスピース(計6個)
s1 S15
a3 170,A17,A28
t1 T20
b1 B35

楽譜(計36冊)

以上。

リードはすべてバンドレン青箱。
硬さはすべて3か3半。
ソプラノ、アルトに関しては例年どおり。
昨年はテナーをよく吹いたのでリードの消費も激しかった。

マウスピースは例年よりたくさん買った。
特に今年は数年ぶりにアルト以外のマウスピースを一つずつ買ったのが大きかった。
アルトは年に1~2個買っている。

楽譜に関しては尋常ではない。
こんなに買ったのは初めてではないだろうか。
楽譜代だけで十万円を越えている。
アカデミアのスタンプカードも約半年でいっぱいになってしまった。

たくさん買った分、少しでも芸の肥やしになればと思う。

ドイツもの

2007-03-11 23:08:24 | 日常
今日は栗本さんの演奏会へ。
そういえば栗本さんの演奏をちゃんと聴いたのは初めてだった。
サックスの演奏会としては珍しいドイツものの曲目だったが、それぞれの作品の性格をしっかりとらえて確実な演奏だと感じた。
ブラームスの弦楽器的な流れるような、流暢な演奏というのは出来そうでなかなか出来るものではないと思う。

私は2001年9月にミュンヘン国際コンクールを受けに、一度だけドイツに行ったことがある。
コンクールは一次予選であっけなく落ちてしまったが、その後の二次、本選をしっかり見聴きし、また初めてのドイツをしっかり観光したことを思い出しながら今日の演奏会を聴いた。
コンクール開催中に同時多発テロが発生し、情報がよく伝わらないまま、まるで映画のような惨劇をただテレビで眺めていたのも思い出す。

そのときは時間を持て余し、観光をたくさんした。
写真はニンフェンブルク宮殿。

受験

2007-03-10 22:34:24 | 日常
尚美、洗足のレッスンや行事が落ち着き、さらに音大受験もひと段落し、4月までは比較的何も無くとても平穏だ。
とはいえ、この時期に春の演奏会の譜読みや確定申告などの事務仕事をしなければならないのだが。

音大受験生はそれぞれ志望した大学に進む者、浪人し今年一年足踏みをする者と、それぞれに進路が決まり、この時期はそれぞれに節目を感じるものなのだ。

私の教え子ではないが、洗足大学院を修了する学生が、藝大の博士課程に合格した。
管楽器では非常に珍しい。藝大サックス科創設以来初の出来事だ。

栗本純子Saxophone Concert

2007-03-09 22:02:34 | sax関係
昨日に続き演奏会の宣伝を。


栗本純子Saxophone Concert

日時:2007年3月11日(日) 18時30分開演
場所:アクタス・ノナカ アンナホール
料金:2000円(要予約)

出演

sax:栗本純子、有村純親
piano:羽石道代


お申し込み、お問い合わせ:
アクタス セルマージャパン
tel:03-5458-1521
fax:03-5458-4010



栗本さんは藝大で入れ替わりの後輩で、以前は佼成WOでご一緒したりしたが、最近ではもっぱら海外でお会いすることのほうが多かった。
彼女は藝大卒業後オランダへ留学し、現在はドイツで勉強しているそうだ。

私がディナンのコンクールで優勝した際、サクソフォーン協会の季刊誌に記事を載せるため寄稿を求められたのだが、筆が遅くいつまでも書けないでいたら、いつのまにか栗本さんがコンクールのすばらしいレポートを寄稿してくださっていて、私としてはいつかお礼とお詫びを申し上げなければと思っているのだ。

私が高校生の頃、何も知らずにドイツ・サックスの第一人者デトルフ・ベンズマン氏のCDを買い、ドイツのサックスの水準を垣間見たが、今ではルッツ・コペッシュ氏など、若くて優秀な奏者がたくさん生まれている。

栗本さんがドイツ音楽をどのように受け止めて、どんな演奏をするのか楽しみ。

インターナショナル・サクソフォン四重奏団

2007-03-08 22:01:37 | sax関係
この度、インターナショナルQが来日公演を行う。

インターナショナル・サクソフォン四重奏団コンサート

日時:2007年3月25日(日) 17時開演
場所:アクタス・ノナカ アンナホール
料金:3000円(要予約)

出演

sop:ジャン=ピエール・バラグリオリ
alt:ウィリアム・ストリート
ten:宗貞啓二
bar:リチャード・ディーラム


お申し込み、お問い合わせ:
アクタス セルマージャパン
tel:03-5458-1521
fax:03-5458-4010



ソプラノのバラグリオリ氏はギャルドの1番奏者で、今年50歳になるベテラン奏者だ。
最近ではCD「デクリュック作品集」を出して話題を呼んだ。
ドゥラングル、フルモー諸氏と同年代で、若い時には彼らと肩を並べてコンクールに入賞しまくっていたそうだ。

ストリート氏、宗貞先生、ディーラム氏はロンデックス一門(バラグリオリ氏もロンデックス門下だったのかは定かではない)ということで、学生時代からの古い付き合いなのだそうだ。

ストリート氏、ディーラム氏は2002年ディナンのコンクールで審査員としていらしていたので、私もその頃から面識がある。

そのディナンのとき、ディーラム氏は私よりも、むしろ林田和之さんの演奏に感銘を受けたようで、しきりに林田さんに話し掛けていた。
遠くからでも目が合った際にはウインクしていたりと、本当に林田さんに入れ込んでいたのが印象的だった。
林田さんの方はそのウインクに当惑気味だったが。


写真は昨年のコングレス(スロベニア、リュブリャナ)にて。
会場出口でカルテットや他の皆さんが談笑していたところを一緒に撮らせていただいた。残念ながらディーラム氏は不在。

今回の演奏会では、ブートリー、櫛田てつ之扶氏の委嘱作品など演奏するようで楽しみだ。

ディナンからのメール

2007-03-07 22:01:07 | 日常
今日は洗足でレッスンなど。
写真は洗足3409で。

昨日ディナンのコンクール事務局からメールが来た。
読んでみると、昨年のコンクール本選のために、私に招待状を送っていたそうなのだが、私が引越しをしていたため戻ってきてしまったので、新しい住所を教えてくださいとのことだった。

招待("invitations"と書いてあった)とは、これまたどういうことなのかよくわからないが、そんなことなら遊びに行けばよかったと、うれしいというよりは若干悔やまれるメールだった。
それにしてもこのコンクールはいつも親切だ。

もうひとつ、パリ音楽院卒業試験を控えた白井さんからのメールで、5月来仏の日程、曲目がほぼ決まったところに、彼女の提案でまた新しい演奏会が追加された。
詳細はまた後日お知らせしたいと思う。

花粉症

2007-03-06 22:54:26 | 日常
今年に入って数回、鼻水が止まらない日があり、今日もそうだった。
今日はおそらく花粉の影響だと思うが、夜になっても治まらない。
部屋の空気清浄機をフル可動させても治まらないのは、花粉症を通り越して、再び自律神経をやられたものと思われる。
幼少の頃から、疲労が溜まると何かのきっかけで自律神経失調症になってしまうのだ。
先日の体験入学で必要以上に緊張感ある演奏を行ったためだろうか。情けない。
今日一日でティッシュ一箱使い切ってしまった。

ブログを書いている最中で、海外からいくつかのうれしいメールが来た。
しっかり読んでからまた明日紹介したいと思う。

BGM

2007-03-05 21:52:04 | 日常
昨晩3/4(日)、テレビ「情熱大陸」(バレエダンサー・加治屋百合子)の放送で、私のCD「森の静けさ」から白鳥、ワルツ形式によるカプリス、小組曲のバレエがBGMとして使われていた。
大変驚いたが、光栄なことだ。

また新しいCDをつくりたいとは思っているが、どんなものにしようか未だ構想中なのだ。
これから様々な本番をこなしながら考えを煮詰めていきたいと思う。

尚美体験入学

2007-03-04 21:50:05 | 尚美
今日は尚美で30分ほど演奏してきた。
ピアノは原田恭子さん。

ラヴェルのソナチネでは音程や強弱のコントロール等、針の穴に糸を通すような繊細さが要求される作品だが、楽器のコントロールにはだいぶ慣れてきたように思う。
アンサンブルではやや惜しまれる点が残された。

原田さんと演奏するイベールは、どんなに超特急な演奏でも安定して、自由に演奏することができる。
今日のアルトのリードは、やや硬すぎた(新しいリードだったため、まだ馴染まなかった)ため、低音をいくつかハズしてしまったが、これだけ自由に演奏できるのは幸せなことだ。
イベールのみ暗譜で臨んだが、集中力が途切れることなく、最後まで自分の演奏ができたのは良かったと思う。

プレイヤーとして、定期的に緊張感のある本番を行うことはとても大事で、その都度イメージと実践とのギャップを埋めていかなくてはならない。
また4/22(日)の体験入学で演奏することになっているので、これから少しずつ準備を進めていきたい。

本日共演してくださった原田恭子さん、尚美スタッフの皆さん、そして聴いてくださった皆様には厚く御礼申し上げる。


ラストコンサート

2007-03-03 21:49:33 | 日常
今日は洗足sax四年生によるラストコンサートを聴いてきた。
卒業生たちが自主的に企画し、手作りの演奏会なのだ。

ラージの指揮は岩本先生で、私も学生の頃を思い出しながら聴いていたが、そういえば私が尚美の学生の頃も岩本先生に指揮していただいた。

皆、一点の曇りも無い演奏だった。
気持ちで聴かせるとは、きっとこういう事を言うのだろうと感じた演奏会だった。

マウスピース2

2007-03-02 21:42:27 | sax関係
買ったばかりの3半のリードを吹いてみると、柔らかいものから硬いものまで、その幅が甚だしい。
よく一箱中、使えるリードは2~3枚しかないなどと言うが、実は私もそんな感じなのだ。

ずいぶん前になるが、マウスピースについての項で、私は一つのマウスピースに依存せず、フレキシブルな姿勢で練習していると書いた。
通常なら「奏法やマウスピースに合うリードを探す」ものなのだが、視点を変えて、個々のリードに合うマウスピースを探すということを今日試みた。

いつも使っているA28、A17の他に、170、180を用意し、4種類のサイズ、個性の違うマウスピースを一つのリードに対して合わせてみた。

結果は予想していたとおり、A28では硬く感じていたリードでも170なら容易に吹けたりと、マウスピースのサイズを替えることで、ほとんどのリードはマウスピース次第で使用可能なのだということがわかった。

ただ、本当に良いリードだと感じたものは、どのマウスピースにつけても良いと感じたのはおもしろかった。
これは単に硬さの問題ではなく、質やバランスが良いのだろうと思う。

学生の頃、マウスピースを替えることは、それなりの覚悟が必要で、マウスピースによって奏法や音の概念までもが歪められてしまうのではと疑心暗鬼になり、一つのマウスピースに固執していた。

今ではすっかり考え方や視点が変わってしまったが、それが本当に良いことなのかどうかは、正直まだわからない。