浜床のふろしき

尾道市因島から日常を記します

巳午

2008年12月05日 | 因島

祖父母が亡くなるまで、僕がその存在すら知らなかった行事が「巳午」です。これは主に瀬戸内海沿岸や島嶼部の地域に残っている風習で、「みんま」「みうま」「みいま」と呼ばれます。

その年に亡くなった人が迎えることの出来ない「お正月」を12月初めの「巳(み)」の日に集まって故人とともにお祝いするのが一般的とされています。亡くなった方と近しい家族だけで行うことが殆どで、ご馳走を食べたり、お餅を搗いたりすることが多いようです。地域やその家によって様々な形がとられていて、お墓でお酒を飲んだり、お墓に飾り物をしたりすることもあるようです。

この「巳午」という形での行事は、瀬戸内海地域に限られるようですが、以前行ったことのある沖縄(石垣島)でも旧正月にお墓に集まって親族でご馳走を食べ、お酒を飲み、故人との時間を楽しもうとしていました。

それぞれの地域で様々な理由で始まった行事だと思いますが、亡くなった人と一緒にお正月をお祝いしたかったという残された家族の想いが風習として受け継がれている理由なのかもしれません。


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