らんかみち

童話から老話まで

2014年問題というのは

2013年05月21日 | 暮らしの落とし穴


 2014年問題というと、ウィンドウズXPのサポート終了のことだと思う人が多いだろうか。北陸新幹線の開通後に予想される上越新幹線の地位が低下のことだと答える人が当地にどれだけいるだろうか。
 造船の町とされる当地で2014年問題といえば、来年は船の受注がないということ。造る船がないことは世界的な問題だ。リーマンショック以前に、船舶輸送の需要増を見込んで船を造りすぎてしまったらしい。

 うちの村にも世界的な造船会社が操業していて、船の受注が無くなったら失業者が増える。村人も何人か勤めているので影響は少なくない。ではあっても造船所は騒音問題やペンキの飛散などの問題をかかえているので、操業が停止すれば喜ぶ人もいないではない。そんな中で、新しい造船所が建設されている

「日本で新しく建設される最後の造船所だと思います」と、建設中の造船所の会長はおっしゃる。世界的な船余りの影響を受けない内航船を造る造船所だから2014年以降も受注があり、ドル建ての商いじゃないので為替相場に影響されない。しかも優れた船を造っているので、銀行はいくらでもお金を貸してくれるらしい。

 造船所というのは下請けの会社が多く、この一年で著しいコストダウンを余儀なくされて廃業したところも少なくない。下請け泣かせというのは良い言葉じゃないけど、そこまでしないと日本の造船所は生き残れない。だけどそんなことをやっているから、処女航海で船体に亀裂が入って海外の造船所で修理しなくてはならない事態が発生する。

 どんな事業所も地元との折り合いが不味くては上手く行かない。雇用を創出してやっているんだから騒音だのペンキだのは大目に見ろ、といいたいのも理解できるが、先の短い年寄りは静かに暮らしたいだけだ。
 新しい造船所の建設はやかましいが、いつまでも続くわけじゃない。うるさいから何とかしろ、と文句を言ってくる村人もいるけど、今はまだ操業していないからね。

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