らんかみち

童話から老話まで

バッテリーの回春装置を取り付けてみました

2010年02月07日 | 釣り船とバイク
「ナンパの極意? そやね、『私の体だけが目当てやろ』いうて構えとる女ほどだまし良いとしたもんよ。だまされた数に比例して人は警戒するやん。裏を返せば警戒する女ほど、だまされた回数が多いということやから、そういう女ほどだまし易いわけなんよ」
 今どき「あなたは、私の体だけが目的だったのね、オヨヨ」と泣き崩れる女もいないでしょうが、ナンパの達人の言うことには一理あると思います。
 
 先日バッテリー回春液(添加剤)にだまされたって書いたけど、ちょっと高い補充液を買うと思えば良いのだ、と買う前に考えたのは事実。この時点ですでにメーカー側の術中にハマっとるわけですね。売る側は買い手の微妙な心理に付け込んでキャッチコピーを書くし、価格設定をするんでしょう。
「このゴルフ器具を使って指示通りの練習をすれば100を切れる」や「ビリーズ・ブートキャンプ」なんてのは、指示通りやれば(なかなかできない)間違いなく効果はあるでしょう。しかし「この体操で身長が伸ばせる」とか「水飲み健康法」なんてかなり怪しいもんです。

 何を隠そう、ぼくはありとあらゆるバラ色商法にだまされてきた練達の警戒人です。断食療法にも手を染めたし、水も飲んだし、ベリリウム・カッパーという美しいゴルフクラブにあこがれました。
 しかし断食は体に良くないと思う。水も飲み過ぎたら電解質が抜けて危ない。スポーツドリンクに電解質が入れられているのを考えたら分かる(今なら)。ベリリウムのアイアンは綺麗だけど値が高くて買えずにいたら、ベリリウムの発がん性が問題になって生産中止となり、ぼくは一命をとりとめました。
 そりゃ大げさだけど、中国に発注している義歯にベリリウム混じりの物があるっていう報道には憤りを隠せません。
 
 世の中なんぼ警戒しても警戒のし過ぎってことないようです。ああそれなのにまた買ってしまいました、バッテリーの回復装置※。ぼくのバイクのバッテリーは、どんなに安い店でも1万円を切りませんが、このバッテリー回復装置は送料込みで7,800円と微妙な値がつけられているのです。
「点火系へ安定電圧を供給することでエンジンパワー/トルク/の向上を強力にサポートします。バッテリー再生機能で交換時期を迎えたバッテリーを強力に再生します」と説明にあって、パワーの方は眉唾だけどバッテリーには効くと確信して発注しました。

 今日届いたので取り付けました。エンジンを押しかけしてしばらく走ってみたら、あれれ、パワーが上がった気がする。でもね、こんな物でパワーが上がるなら、バイクメーカーが初めから付けてますよね。気のせいだろうと思いつつ、いつもならギアダウンしないと登れない坂道を走ってみると、あれま、5速で登り切った!
 確かにパワーが上がったと証明され実に晴れ晴れとした気分になりましたが、本日は非常に冷たくて空気が乾燥しています。つまり空気の密度が高くエンジンにとっては好都合な気象条件なので、小馬力のバイクが敏感に反応したのかもしれません。
 だからといって取り外して効果を検証しようとは思いません。なんだ一緒じゃん、と分かってしまったらがっかりじゃないですか。7,800円で心の安寧を買ったのだと思えば素敵でしょ。というか、これがだまされる極意です。
 
※バッテリーのサルフェーション(硫酸鉛)などを除去する装置で、デサルフューターと呼ばれ実際にノートパソコンなどのバッテリーを再生する会社が使うのと同じ技術らしいです。バイクだけでなく車にも使えますが、効果は1週間ほどしないと分からないようです。

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