らんかみち

童話から老話まで

浜にはマルシェ

2013年03月09日 | 暮らしの落とし穴


 島のは二つの町があって、かつては互いに鎬を削っていた。いがみ合っていたと表現する人がいるくらいで、北朝鮮と韓国ほどではないにしろ、町の境で対峙していたらしい。何を巡ってもめてたかといえば、薪。つまり、その昔は火を焚くための木材が不足していたというのだ。
 こちらの町は平野があって農業と塩田などが主な産業、隣町は漁業と石材業で栄えていた。産業が違ったら文化も違ってくるらしく、ああ言葉も違うな。今でこそ交流は盛んだけど、薪を取り合って戦争が起きたと地域の歴史書に残されている。

 こちらにも漁師町はあるけど、あちらさんとは比較にならないほど小規模。なにしろ、あちらさんはアジアを股にかけた海賊の末裔たちが猟師をやっている。アジア各地から美人をさらって帰ってきたので、隣町には美人が多い?
 それはともかく、気合いの入った猟師さんが多いので毎月第一日曜日には朝9時から猟師市が開催される。これは大人気で、並んでもあっという間に売り切れてしまったりする。けど、見たこともない魚が売られていたりして楽しい。

 うちの町には猟師市なんてない。そのかわり野菜産直市は1軒のスーパーで週に2回開かれる。別のスーパーでは毎週土曜日に朝市が開かれ、隣町の魚もやって来る。どちらの市場も名前は「朝市」らしい。ところが今度隣町で開かれる市場は「マルシェ」と洒落ている。地域おこし協力隊の命名なんだろうね、面白そうだから花見がてら出かけてみるか。

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