らんかみち

童話から老話まで

晩節を汚すってことはある

2013年05月25日 | 暮らしの落とし穴


 バラは申し分なく、天気も快晴ならバラ祭りの人出は過去最高を記録するかと予想したけど、どっこい例年より少ないくらいだった。暑すぎて、ブースの前に立っていることもままならない。汗が噴き出すというわけじゃないから、体が急激な暑さに慣れずにいるんだろう。そんなだから「このクソ暑いのに公園で熱中症の危険は冒せん」ということか、客足も思いのほか伸びなかった。

 人出が少ないから陶芸クラブの作品も売れてない。いや、そもそもバラ祭りに陶芸作品を売るということ自体が無謀なわけで、売れなくて当然といえばそうだろう。もし手打ち蕎麦を売ったなら、今日みたいな日だったら面白いように儲かったはず。
「君ぃ、作品を仮に500円で売ったとして、クラブに半分取られるじゃないかね。残りの250円で土代と焼成代やら何やらを差し引いてみた前、完全に赤字じゃろうが」と、先日来より要釉斎先生が繰り返し主張されているが、面倒くさいから聞こえないふりをした。

 そもそもバラ祭りで陶芸作品を販売するというのは、クラブの運営のためであって個人の収益のためではない。最初は全額をクラブに納めていたのに、それではいくら何でも厳しいということで作者に半分が手取りになるようにした。そんないきさつを知っているはずなのに、このところの要釉斎先生は自分の損得にこだわるような発言をなさる。

「先生は欲ボケかいねや?」と、手下までが心配するくらいだから、かなり具合が悪い。確かに売ったからといって儲からない。それどころか赤字になるんだけど、クラブには貢献できる。それのどこがいけないのかってことになると、だれも反対していない。要釉斎先生だけが文句を言っているわけで、「晩節を汚す」と心配する人もいる。どうすりゃ良いもんかなぁ……。

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