らんかみち

童話から老話まで

コイン精米機の裏技?

2014年11月21日 | 暮らしの落とし穴
 知人の田んぼでとれた米がおいしかったのでリピートした。「うちので良いの?」と自信なさげなこといわないで、胸を張って良い米だと思う。前回は地元のコイン精米機にかけてみたけど、つき上がりに納得できなかった。
 前からそうなんだけど地元のコイン精米機は割れが多い気がして、専門家に聞いても「そんなはずはない。イセキもクボタも中の機械はサタケ製で、どこの機械を使っても仕上がりは似たようなもの」とおっしゃる。
 不思議だ、皆さんあの仕上がりで満足なんだろうか。気のせいかなと、新型の無洗米の機械が設置されているところを探し出して精米しに行った。

 コイン精米機の前に着くと、高級国産車が横付けされていて、精米機の中には先客がいる。ちょっと待っていたけど時間がかかっているのでトラブっているのかと外から眺めたら、ジャージ姿の男性が奇妙な姿勢で機械を操作している。
 やがてぼくの姿に気がつき、そそくさと終了して「お待たせしました」と頭を下げた。初老の紳士といった雰囲気だ。

 この精米機には無洗米コースがあり10kgまで100円だけど、お試しだから5kgにしておく。ゴミなどをシャットアウトするためだろう、玄米投入口にはシャッターがあり、自動で開閉する。スタートしても作動音が静かで、やっぱり新型機らしい優れもの。
 それにしてもあの紳士は何をしていたのだろうと考えていて、ふと見ると投入口に「玄米返却口」と書かれたパイプがある。ま、まさか!

 コイン精米機に100円投入して11kgの玄米を入れると、10kg精米して1kgは機械の中に残る。残りの1kgまで精米したければ更に100円を投入しなくてはいけない。ぼくなら100円は惜しいけど米を残すのももったいないから泣く泣く100円を払うと思う。しかし、うっかり残してしまったらどうする?
 安物の米を精米して、前の人の高級米が混ざったら嬉しいかも知れないが、その逆はどうだろう。そういうケースに腹を立てるのも無理からぬことなので、米同士は混ざらない構造になっているはずだ。

 そう考えてみると、あの紳士は先の人が残していった米を回収していたのだろうか。そんなことが可能なのだろうか。一日中コイン精米機巡りをしたら玄米を集めることができるのだろうか。もしそうだとしても、やる気になるかなぁ。素性の知れない米をゲットして嬉しいかなぁ。あんな紳士が、そんなさもしい真似するかなぁ……。