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八雲木彫り熊展示室が八雲町郷土資料館に常設展としてオープン

2012年04月27日 21時13分06秒 | 新聞などのニュースから
 2012年4月26日の北海道新聞で目を引いた記事に

八雲の木彫り熊200点 展示室オープン

というのがありました。

 渡島管内八雲町の町郷土資料館に、常設展示として「八雲木彫り熊展示室」がオープンしたのです。

 八雲町は、噴火湾に面した酪農と漁業のマチ。熊石町と合併し、いまは国内で唯一、日本海と太平洋に面したマチになりました。
 ちなみに、人口は約2万人。道南の北半分では最も大きな町村です。北のとなりの長万部町や、南どなりの森町よりも大きいのですが、おっとりした気質のせいか、知名度は人口規模ほどには高くないようです。

 旧八雲町を開拓したのは、屯田兵でも民間団体でもありません。
 尾張徳川家の家臣団が明治維新の後、愛知県からやって来て、開拓したのです。
 徳川家は来ませんでしたが、元家来たちの入植を後押ししました。
 とりわけ第19代当主の徳川義親は、遠い北海道に行った町民たちのことを気に掛け、町民からも「徳川さん」と呼ばれて親しまれていました。

 義親が大正期のある日、欧洲旅行に行った際、スイスで作られているクマの木彫りを見つけ
「農閑期の副業として、八雲の農民たちにやらせてはどうだろう」
と思い立ちます。
 このとき持ち帰った木彫りを元に始まったのが、かつて北海道みやげの代表格として知られた木彫りのクマだったのです。

 というわけで、北海道の木彫りのクマ発祥の地は、八雲町なのです。
 ただし戦後はすたれて、いまは町内に職人はいません。

 八雲の木彫りグマは、サケをくわえたよくある姿だけではなく、バラエティーにとんでいます。
 こんどできた展示室でも、職人別に展示して、それぞれの個性を感じ取れるようになっているそうです。

 八雲町の所蔵する古い木彫りで、筆者が好きなのは、クマの生徒たちが数学の授業を受けているようすを作品にしたものです。先生にあてられた小熊が、問題が解けないのか、立って頭をかいているのですが、黒板を見ると、筆者もできそうにない高度な数式が書かれています。
 こんなにユーモラスで、精巧な作品があったのだなあと思いました。
(もっとも、いま展示されていると確約はできないですが)
 
 個性豊かな木彫りのくまを見に、函館へ行く途中にでも、八雲に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
 特急列車も止まりますし、高速道路のインターチェンジもありますよ。


□八雲町のページ
http://www.town.yakumo.lg.jp/modules/museum/content0017.html

□八雲町観光情報ブログ
http://www.town.yakumo.lg.jp/modules/sightseeing_blog/details.php?bid=303&offset=24

□ようこそ、みなみ北海道へ
http://www.minami-hokkaido.jp/blog/12/1812

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・JR八雲駅から約700メートル、徒歩9分


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