おそらく道内の画廊で最も来場者が多い「札幌時計台ギャラリー」。7室を有する大規模かつ伝統のある貸しギャラリーで、札幌の美術ファンが単に「時計台」といったら、それはこの札幌時計台ギャラリーをさすほどであり、当ブログで紹介する価値のある展覧会がほぼ毎週開かれているのだが、そのわりにはこのブログでの記事が少ない。
それはひとえに、筆者の仕事が忙しく(というか、なかなか会社を離れることができず)、土曜日まで見に行くことができないためだ。ブログの更新は、まだ会期が終わっていない展覧会が優先になってしまうため、アップするときにはかならず会期終了後になっている札幌時計台ギャラリーでの展覧会は、ついつい後回しになるのだ。
しかし、このままでは、書くべきテキスト、紹介すべき展覧会は、どんどんたまっていく一方である。
なんとか時間を見つけて、アップしていかなくてはなるまい。
というわけで、美術文化協会である。
第2次世界大戦の直前、シュルレアリスム系の画家が中心となって旗揚げされた団体公募展だ。
道内では、新道展と掛け持ちしている人が多い。
冒頭画像は比較的新しい人。三浦恵美子「コンプレックス」「シオン」、関口幸子「彼方へ(残像)」。
関口さんはリアル路線である。
しわだらけの奇怪な物体を描き続ける大林雅さんの「棲(蠢)」(同題2点)。
そのとなりは、西田靖郎さん「冬」。
以前のように性別不詳の禿頭の人物は登場せず、宗教的な感覚も薄くなり、以前の作品とはかなり変わってきている。描写力の高さはあいかわらずだが。今作では、白い木の間に女性の姿がのぞく。熊笹の描写がうまい。
左から宮沢克忠「村の御輿」、藤野千鶴子「宙―2013」。
藤野さんはますますピンク色の輝きが増している。
宮沢さんの独特の線描。
和田仁智義「孤高の島」、鈴木秀明「微睡」、柳川育子「風吹けば―」
和田さん、鈴木さんの世紀末的な描き込みの細かさもあいかわらずすごい。
柳川さんのレモンイエローは明るいなあ。
このほかの出品作は
三浦恭三「連-I」「連-II」
山形弘枝「い~ちご」
古田倫之「キューブのために」(同題2点)
宮沢克忠「月蝕秘話」
関口幸子「彼方へ(残像)」
久保田年子「生命 いのち」「私は誰?」
2013年9月23日(月)~28日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
札幌時計台ギャラリー(札幌市中央区北1西3)
美術文化協会 □ http://bibun.jp/
■第36回美術文化北海道支部展 (2008)
■第35回(2007年)
■第34回(06年)
■第31回(03年、画像なし)
■第30回(02年、画像なし)
■第29回(01年、画像なし)