NPO法人北九州・魚部 「魚ぶろぐ」

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908号【ここは何処?~そこにタダゲンはいた。】

2009-04-04 10:27:56 | Weblog

2009.3.22




地図も持たないのに、隣県で知らない山道に迷い込んでいた。

いつ果てるとも分からないまま、延々とつづく山道。

福岡とは違うなあ・・と思いながら。





道幅は相変わらず狭いものの、舗装道路に出て林間をしばらく。

頂上付近で開けて、左手の斜面沿いにわずかな棚田。


  ん? 池がある。





小さな、田んぼを1枚潰して作ったような池だけど、

もしかしてもしかしたら・・と入らせてもらうことにした。





もの凄いミズカマキリ。

試みにプラケースに集めただけでもこの数。

30個体くらい?





これまた、もの凄いガムシ。

岸辺をガサガサするとぷかぷか何頭も。

これだけでも40個体くらいか。





やはりいました、クロゲンゴロウも。

30個体以上、すくったでしょうか。



4月後半にでもなれば、これにきっとシマゲンゴロウも。



いやいや、それよりも。

それよりも、「あの方」はどうなのかしら?

これだけ大型種の皆様が多く生息するのであれば。

「あの方」がいても可笑しくないんじゃない。



そう思いながら、網を入れていると・・いました。



タダゲン。

つまり、ただの「ゲンゴロウ」。

福岡では絶滅してしまった僕らには幻のゲンゴロウ。

しかも、複数で、「あの方」でじゃなく「あの方たち」で。



巨大すぎて、網の中でゴロンゴロンという感じ。(私的なイメージ)

もう、わが福岡では出会えない感触。



でも、やはり納得。

「こういうところでしか現代では生きていけないんだ」と。

九州の生息地でも、かつてそう実感した思いが再び。



だから、2008年秋の北九州でのタガメ騒動も、

文字通りタガメ騒動以外の何物でもない。



こういうところでしか生きられないようにしてしまったのに、

その生きられない環境でも見たいと思い、そうしてしまう行為は、

彼らには酷い仕打ちの追い討ちでしかない、と思う。



一緒に生きていくことを求めるならば、それが必要ならば、

まずは一緒に生きていける条件を整えることが先だと思う。

彼らを放つのではなく。






たくさんの大型水生昆虫に、久々ギョブレナリンが噴出し、

ワクワクドキドキの1時間弱を味わわせてもらった。


記録用の1個体、あるいは1ペアだけ持ち帰らせていただき、

残りはすべて元の池に、さようなら。












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