くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

新・玉ねぎの一分

2009-06-26 10:17:42 | Weblog
昨今の当家の食卓の定番といえば野菜スープ。
作り方はいたって単純明快、
みじん切りにした新玉ねぎとニンニクを炒め、
鶏肉を加えて炒め、他の野菜を加えて炒め、
水を加えてしばらく煮込み、塩コショウをして完成。

美味しく仕上げるための極意、
それは玉ねぎをしっかと炒めつけることにあり。
「これでもか!これでもか!!」と
20~30分に渡って存分に打ち据えてやるのでございます。
なぜそこまで執拗になさるのか、と
お思いになるでしょうが、
打ちのめされて飴色を通り越した玉ねぎこそが
美味しきスープの元になるのでございます。

思い起こせば、自炊をするようになって3年になりますが、
たまにインターネットでレシピは見るものの、
調理の仕方はほぼ自己流。
特に包丁さばきなどはいずれの流派にも属しておらず、
どうやったら玉ねぎを効率よくみじん切りにできるかを
昼夜を問わずに鍛錬しているのでございます。

玉ねぎは真に手ごわい相手でございまして、
他の野菜のように座して死を待つような輩ではござりません。
こちらが一太刀浴びせれば、
切り死に覚悟で例の物質を放出して反撃を加えてきます。
相対した者は涙を流さずにはいられぬのです。

この厄介な反撃を受けることなく、
何とか玉ねぎの膝を屈することはできぬものか。
私は思案しました。
考え至った結果は玉ねぎをすりおろすこと。
幸い当家には職人の手によって作られた
立派な卸し金がございます。
これを使えば有無を言わさずに
玉ねぎをみじん切りよりも
さらに屈辱的な姿に変えることができるはず…!

私は早速この計略を実行に移しました。
そしてすぐに後悔しました。
卸し金の上で玉ねぎをスライドさせると
たちまち積み重なった階層がバロバロとめくれてきて
卸しにくいことこの上なく、
しかも例の物質の飛散量も倍増。
途中まで卸してしまったので後に引くこともできず、
大河ドラマ「徳川慶喜」の最終回並に涙を流して、
命からがら任務を遂行したのでございました。

玉ねぎにも譲れない一分というものがございます。
私が真剣勝負をしなかったものだから、
かような酷い反撃を加えてきたのでございましょう。
しかもすりおろした玉ねぎは汁が多すぎて
炒めることすら儘ならず、
最初からコトコトと沸騰し始める始末。

やはり包丁さばきに磨きをかけて、
正々堂々と勝負するしか道はないのでございましょうか。

学問に王道なし!

…ちょっと違うか。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マリア)
2009-06-28 05:36:16
冷蔵庫で冷やしてからなら、みじん切りも楽勝ですよ!
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Unknown (本人)
2009-06-28 09:14:49
マリア様

え、そうなんですか?!

確かに玉ねぎは常温保存してます。
意外な弱点があったんですね~。

今度試してみます!
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Unknown (マリア)
2009-07-03 18:11:00
玉ねぎは、使う一時間位前に冷やせば大丈夫です。

すりおろす時の(バロバロ)っていう感覚、ほんと
ピッタリです。

くぬぎさんの言葉のセンスが好きです。
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Unknown (本人)
2009-07-03 18:43:30
マリア様

言葉のセンスを褒められたのは
初めてなので嬉しいです!

小学校の作文とか嫌いだったんですけどね。
わからないものです。
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