五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 『GANTZ(ガンツ)』 29巻つれづれ・・・

2010年09月28日 | ◆マンガ 感想

(奥浩哉 先生)

『GANTZ(ガンツ)』29巻を読んで、感想めいたものをつれづれ・・・(28巻感想はこちら

ついに、カタストロフィ本番!

本格的な戦闘が開始され、玄野たちもその渦中へ・・・

 

 

そんな盛り上がりを背景に、小説第2弾『GANTZ/EXA』

『GANTZ/OSAKA』(全3巻)の情報が出ています。

この最終局面にして、「GANTZ」の世界がぐんぐん拡がっていますね~。

『GANTZ/OSAKA』、楽しみ。

大阪メンバーも面白いし、50ページの描き下ろし追加エピソードは期待大。

ただ、あらためて感想書くかどうかは未定です(^^;

 

 

以下、本作品のネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

【『GANTZ(ガンツ)』29巻 雑感】

●大まかな流れ

 蹂躙される人類。 反撃の狼煙をあげた玄野たち「GANTZ」メンバー。

 しかし、玄野2号(レイカの相方)が圧倒的多数の巨人軍団に囲まれピンチに・・・・・・

 

 そんな危機的状況の中、突如現れた「援軍」!

 私はてっきり、外国勢がもうやって来たのかと思っていたですが、

 なんと関東近辺のGANTZ軍団らしい。 大阪・広島以外にも、こんなにいたのか・・・

 

 いずれにせよ、「もうどーしよーもない」という絶望感にあふれた展開が、

 これで形勢逆転・反転攻勢へ向かうのか?と、ふつふつ高揚感がわきあがる。

 「よし、ここからだ!」・・・と思っていたら、突如ナゾの「招集」をうけ、

 またもや戦闘を強制されることになる玄野ほかGANTZメンバー。

 “ブラックボール”を制御していると述べる男たちの登場には驚愕!

 

 

 そして、敵母船への突入攻撃。

 巨人軍団の猛者(エリート?)が登場しましたが、うち1名は玄野をターゲットにしています。

 たしか28巻で、玄野が倒した巨人の相棒から、データを受け取っていたヤツでしたか。

 一方、GANTZ軍団“指揮官”の冷静な戦いぶりは、最強戦士・岡八郎に匹敵・・・

 もしくはそれ以上か? 猛者2人を相手にしても、全くひるまないのは頼もしいかも。

 

 しかし、無情。

 捕虜を捕えるという目的を達した後、“指揮官”たちによってランダム転送される玄野たち。

 その頃、1人さまよう多恵は絶望の末、大勢の人々と共に捕まってしまい・・・という展開。

 

 死屍累々の大地に、終末を予感させる光景がひろがる。

 ここで描かれる絶望感は、まさに地獄! しかも、ある種リアルな地獄です。

 家族を目の前で殺される者、大切な人を失う者、そんな無数の悲劇。

 そのような中で、朝陽に照らされる「母船」のフォルムが、不謹慎にも美しい。

 

 「母船」へ連行された多くの人々は、巨人たちによって“消毒”されている?

 次巻予告の「尊厳が、溶かされる。」の言葉が絶妙すぎます。

 

 

 

●気になる点ちらほら

 以下、妄想語り的に・・・

 

その1. “ブラックボール”を制御する男たち

 関東近辺のGANTZメンバーがゾロゾロ出てきたのもですけど、

 何よりも驚いたのは、GANTZの黒い玉“ブラックボール”を制御すると言う男たちの登場。

 

 7つの玉を操っているのを見ると、関東1都6県のGANTZなのかな?と考えたり。(違うか)

 どうやら、他の人間と変わらない普通の人々っぽい。

 ただ、ゴロツキ風な強者とは違い、インテリジェンスを感じさせる風格を持っている。

 このあたりから、GANTZの世界に放り込まれても冷静に事態を把握し、

 GANTZの秘密に迫っていた人々なのだと妄想。 学者とか混じっていそう。

 

 「頭に爆弾を入れさせてもらった」など、やむを得ないとはいえ過酷な方法をとったりと、

 “指揮官”としては優秀であるものの、情には薄い印象を受けてしまったりも。

 転送をランダムにしたのは、おそらく転送の処理に時間がとられるからなのだろうけど、

 これが“指揮官”たちの「傲慢」を感じさせる要素になっています。

 彼らが、今後どのように物語にからんでくるのか・・・気になるところ。

 

 

その2. GANTZの武器

 しかし、“ブラックボール”って人類にも扱えるのか・・・この点、驚いた。

 日本で扱える者がいるのなら、海外にも存在するでしょうね。

 西くんが語っていた「ドイツ」「イスラエル」あたりはGANTZ的に有名な集団らしいので、

 このあたりであれば、さらなる秘密にも迫っている・・・かな?

 

 そして“指揮官”の男は、自由自在にGANTZの武器を転送してもらっています。

 岡が使っていた装甲スーツの「腕だけ」装着して、巨人軍団の猛者と渡り合う“指揮官”。

 ここからわかるのは、装甲スーツによる巨人(猛者級)との格闘が可能ということであり、

 「GANTZ」を人類に与えた(?)何者かは、やはり対巨人を想定していたことが窺えます。

 人類くらいの身体であっても、この装甲スーツさえあれば渡り合えると・・・

 

 こうなると、“ブラックボール”の制御によってGANTZの武器を量産したりできないのか?

 ということが気になります。

 装甲スーツを人数分量産すれば、かなり人類有利になるのでは??

 巨大ロボもあれば、さらに嬉しい・・・かもかも。

 

 やはり、100点をとらないと武器を生産できないとかなんですかね。

 倒した星人のエネルギーを収奪して、そこから生成しているとか・・・妄想走り過ぎ(^^;

 

 何度も繰り返し100点をとらないと、さらに強い武器を入手できないというのは、

 a) ゲーム的に、プレイヤーにモチベーションを与えるため(もっと戦わせるため)の措置。

 b) 点数(収奪エネルギー?)を重ねて稼がないと、強い武器を生成できない。

 このいずれか、もしくは双方の理由が考えられると思うんですけど・・・どうでしょうかね。

 

 

その3. 他いろいろ

 まず、地上掃討戦をおこなっているのが、巨人とは別種の存在であること。

 虫か爬虫類のごとき外見でありながらも人型。

 

 巨人軍団に服属している他の異星人・・・でしょうか。

 となると、巨人軍団は地球以外の星も征服しているのか?

 地球には、植民的な侵略できているのか?・・・などなど気になります。

 

 もう1つ気になるのは、巨人軍団の“長髪猛者”が玄野をターゲットにしていること。

 28巻で玄野に倒された巨人が、この“長髪”の親友だったのか?

 ・・・など考えられますけど、私が気になったのは、玄野が2人いることに

 “長髪”が気付いてしまったことですね。

 

 てっきり私は、玄野が2人いることに気付かない“長髪”を、

 2人でかく乱して勝機を得る展開になるもの・・・と予想していたので、

 もう気付かれてしまったことに、「あれ?」と意外な印象を受けてしまいました。

 これをうけて、“長髪”は今後どう行動し、どう関わってくることになるのか?

 おそらくは、玄野のライバル的存在になるのでしょうから。

 

 そいえば、東京メンバーが招集されていると考えると、

 吸血鬼のにーちゃん・ねーちゃんも参加しているはず。 彼らも関わってくるのか?

 あと、西もいるはずだけど・・・姿隠している?

 大阪では、クワバラが1人がんばってるのかな?・・・巨人女にチョメチョメしそう(;´`)

 

 ほかにもカタストロフィ下における人々の行動や、玄野の成長、

 そして多恵がどーなってしまうのか?などなど、語りたい事は多いのですけど・・・・・・

 

 

 

●物語としての『GANTZ』が描こうとしているものは、神と人類?

 カタストロフィという、どうしようもない地獄の中にあって、玄野はこう言います。

 「神なんかいない・・・」

 「人間の命は ちっぽけなモノだ。 実際はそうなんだ」

 「もし神が・・・・・・いたとしても 慈悲深くて善良な存在じゃないことは確かだ・・・・・・」

 

 ぬらりひょんの言葉以降、この「神」がキーワードになっていることが多い。

 このことから、『GANTZ』の物語は「神」と「人」をテーマにすることになりそうな気配。

 

 今までナゾの“黒い玉”に命じられ、強制的な生き死にの戦いに放り込まれていた状況も、

 言ってみれば「神の理不尽」に巻き込まれてしまった人の子の、悲愴な戦いだったわけで、

 この「神の理不尽」への人の反抗、離反、そして独立を描くことになるのかなと思います。

 

 このあたり、GANTZとは何なのか?も加えて、もっと妄想走らせてみたいかも。

 来年1月の30巻発売までに、GANTZ考察っぽい記事を書きたい

 ・・・けど、どーなるかは未定です。

 

 

 やはり「神」なる存在が、巨人襲来を想定してGANTZを人類に与え、

 自らはその様子を観劇するかのように、地球のはるか上空・宇宙のいずこからか、

 惨劇をゲームのごとく眺めていたりするのでしょうか?

 (X-ガンで「上」へ“送られている”先は、その宇宙にある何かだったりする・・・とか?)

 

 それとも、セバスチャンがたわむれて語るように、ハインツの娘がラジオの役割をはたし、

 偶然に造られてしまったGANTZというオブジェクトが、一種の「災害」となってすべてを

 引き寄せているのでしょうか?

 

 いずれにしても、まだまだ分からないことが多すぎます。

 ゆえに、今後の展開が楽しみでしかたない!!

 

30巻感想はこちら。

 


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