五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

【お気に入り】 『娘々TON走記』3巻

2011年09月17日 | ◆「お気に入り」  4コマ漫画

「お気に入り」4コマ漫画の完結巻になります・・・1巻時に紹介忘れてました(^^;

仙術系ファンタジーなドタバタ・ハチャメチャ・コメディ4コマ。

樹るう先生の作風が、カオスの臨界点を突破しております。

 

 

『娘々TON走記』3巻 (樹るう 先生)

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 「樹るう 幻の傑作4コマ最終巻!!」 (オビ文より)

 ポヨポヨ観察日記 増刊号にゲスト登場しておりました“幻”の作品。

 中国をモデルにした(というかそのまんまな)国を舞台に、

 仙術が入り乱れるドタバタ・コメディ4コマ漫画!

 

 ブタになってしまった皇子が、その呪いを解くために女道士3姉妹と共に旅に出る。

 そこでは妖怪やら龍やら仙人様やらが登場し、危険あり笑いありの道中に・・・

 3姉妹の次女・紅蘭と、ブタの皇子様との関係も気になる所。

 はてさて、その旅の果てに待つものはいったい何なのか?

 皇子様は元に戻れるのか? この国の行く末は? すべてに決着がつく最終巻!!

 

 

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 皇子に呪いをかけた黒幕は、皇帝のお気に入りである壇貴妃。

 ついに、この巻にて決着がつく・・・と思いきや、なんとも見事な大転換が!

 

 さすが樹先生と申しましょうか、仙術系の冒険譚としてハラハラさせる展開も見事ですが、

 やはりその作風の基本は「踊るように楽しい」という点にあることを再確認いたしました。

 とにもかくにもノリがイイ!

 そして、本作品の掲載誌が「コミックメガストアH」という、いわゆる成人系マンガ誌だった

 こともあってか、やたらとノリがカオスな作品に仕上がっていたように思います。

 はじめは、「先生・・・やけになってる?」と、成人系マンガ誌での立ち位置に迷っているのか

 なんて考えも浮かびましたが、とにかくいつも以上に爆発的なノリのよい作品でした。

 

 そして、その楽しさは、最後「敵」を倒してENDというカタチをとらず、

 も少し違った「困難を乗り越えて手に入れるもの」を感じさせるエピソードでシメ。

 壇貴妃の存在も、単純な「敵」としてのそれではなかった点が、

 大団円という楽しさの絶頂感を大きなものにしており、深く感服してしまいました。

 

 

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 そして、成人系マンガ誌ということもあってか、いつもと異なる樹先生の一面が・・・

 もちろん露骨な性描写などはありませんが、道教系の基本的なことともいえる

 「房中術」を面白おかしく取り上げていたりと、なかなか淫猥な愉しみも・・・

 とはいえ、明るく楽しくが基本。 妙な感じは皆無でありますのでご安心を(?)

 成人系マンガ誌にあって、健全な「H」を愉しもうというのは、よろしいことではないかと。

 

 

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 大団円のシメ。

 山あり谷あり、多くの困難があった旅も終点にたどりつき、この幸せな空間へと帰結。

 

 全体的に、樹先生の楽しい作風があふれんばかりなのはいつものことですが、

 そのカオスっぷりについては、他作品以上のものがあった作品だと感じます。

 さまざまな場所へ赴き、皇子の呪いを解く手段を探し求める展開と、

 仙術や妖怪などが入り乱れる物語は、ファンタジーとしても上質。

 それが樹先生のコメディ4コマに乗っかているのだから、面白くないはずがない!

 「幻の傑作」の看板に偽りなし? 私は、じゅうぶんに楽しませていただきましたー!!

 

 


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