「お気に入り」4コマ漫画の完結巻になります・・・1巻時に紹介忘れてました(^^;
仙術系ファンタジーなドタバタ・ハチャメチャ・コメディ4コマ。
樹るう先生の作風が、カオスの臨界点を突破しております。
『娘々TON走記』3巻 (樹るう 先生)
「樹るう 幻の傑作4コマ最終巻!!」 (オビ文より)
ポヨポヨ観察日記 増刊号にゲスト登場しておりました“幻”の作品。
中国をモデルにした(というかそのまんまな)国を舞台に、
仙術が入り乱れるドタバタ・コメディ4コマ漫画!
ブタになってしまった皇子が、その呪いを解くために女道士3姉妹と共に旅に出る。
そこでは妖怪やら龍やら仙人様やらが登場し、危険あり笑いありの道中に・・・
3姉妹の次女・紅蘭と、ブタの皇子様との関係も気になる所。
はてさて、その旅の果てに待つものはいったい何なのか?
皇子様は元に戻れるのか? この国の行く末は? すべてに決着がつく最終巻!!
皇子に呪いをかけた黒幕は、皇帝のお気に入りである壇貴妃。
ついに、この巻にて決着がつく・・・と思いきや、なんとも見事な大転換が!
さすが樹先生と申しましょうか、仙術系の冒険譚としてハラハラさせる展開も見事ですが、
やはりその作風の基本は「踊るように楽しい」という点にあることを再確認いたしました。
とにもかくにもノリがイイ!
そして、本作品の掲載誌が「コミックメガストアH」という、いわゆる成人系マンガ誌だった
こともあってか、やたらとノリがカオスな作品に仕上がっていたように思います。
はじめは、「先生・・・やけになってる?」と、成人系マンガ誌での立ち位置に迷っているのか
なんて考えも浮かびましたが、とにかくいつも以上に爆発的なノリのよい作品でした。
そして、その楽しさは、最後「敵」を倒してENDというカタチをとらず、
も少し違った「困難を乗り越えて手に入れるもの」を感じさせるエピソードでシメ。
壇貴妃の存在も、単純な「敵」としてのそれではなかった点が、
大団円という楽しさの絶頂感を大きなものにしており、深く感服してしまいました。
そして、成人系マンガ誌ということもあってか、いつもと異なる樹先生の一面が・・・
もちろん露骨な性描写などはありませんが、道教系の基本的なことともいえる
「房中術」を面白おかしく取り上げていたりと、なかなか淫猥な愉しみも・・・
とはいえ、明るく楽しくが基本。 妙な感じは皆無でありますのでご安心を(?)
成人系マンガ誌にあって、健全な「H」を愉しもうというのは、よろしいことではないかと。
大団円のシメ。
山あり谷あり、多くの困難があった旅も終点にたどりつき、この幸せな空間へと帰結。
全体的に、樹先生の楽しい作風があふれんばかりなのはいつものことですが、
そのカオスっぷりについては、他作品以上のものがあった作品だと感じます。
さまざまな場所へ赴き、皇子の呪いを解く手段を探し求める展開と、
仙術や妖怪などが入り乱れる物語は、ファンタジーとしても上質。
それが樹先生のコメディ4コマに乗っかているのだから、面白くないはずがない!
「幻の傑作」の看板に偽りなし? 私は、じゅうぶんに楽しませていただきましたー!!