五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ まんがホーム 感想①

2015年12月09日 | ◆4コマ誌① まんがホーム

2016年1月号

 

 表紙は、クリスマス・イヴのらいかさん!
 大きな靴下を置いて、サンタを待ち焦がれるかのような表情、可愛いです。
 そして、サンタは月英さん!? もしくは、えにさんかな?
 
 

 今月の「こだわりの難しさで賞」は、『まんがの装丁屋さん・番外編』

 

 番外編で、ヒナさんの過去話が描かれていました。

 律さんの所へ来る前のヒナさん、色々とこだわりをもった仕事をしていますが、
 上司からは「スカシてんだよね」とダメ出しされて、先輩方からはねちねち言われ、
 営業さんからは簡単な仕事だと思われたりと、大変そう。

 こだわって仕事をしても、それを誰も認めてはくれない。
 ばかりか、反感をくらったり、「ちゃちゃっと」できるものだと思われたり・・・

 ヒナさんが慕っていたという、会社を辞めた先輩さんの語っていた
 「こだわって作っても、それを誰も求めてないのは・・・キツイわ」
 という言葉は、デザイン系のみならず、様々な人に刺さるものではないでしょうか。

 こだわりを捨てないことで、乾いてゆく心。
 では、こだわりを捨てればよいのかといえば、そう単純なものでもなく、
 ヒナさんに厳しく当たる先輩方の態度を見ていれば、それもまた渇きの道なのかなと。

 そんな風に、こだわりに関する兼ね合いの難しさが、響いてしまう内容でしたね。
 本編の方でも、律さんのこだわりが、どういった方向へ転がるのか気になる所です。

 

 

【コミックス20巻、発売中~!】
●らいか・デイズ (むんこ 先生)

  

 クリスマスから大晦日まで・・・

 まずはクリスマス、それぞれの家庭でのサンタ模様が面白い。
 先生の家では、まくら投げをしていた小太郎くんが、夢の中で「2回戦」!
 これには、“サンタさん”も驚き・・・なんて様子が可笑しかったり(^^;

 らいかさん家では、いつもより1個多いプレゼントに大喜びのらいかさん・・・
 ですが、そのかぶっているモノは、それでいーのか!?

 
 竹田くん家では、枕元に置かれていたプレゼントに、
 竹田くんが不正請求詐欺を疑っていて笑゜(*゜´∀`゜)゜ 世知辛いぜ!

 しかし、肝心のプレゼントが、まさかのダンシングフラワーとか、
 さすがにサンタさんのセンスを疑いますわな・・・ と思ったら、
 母上が苦情を入れようとしたため、慌てて「嬉しい」とか言う竹田くん、愉快!

 そして、1つはらいかさんにあげることになり、ジョギングしている彼女を
 待つものの、走って来たらいかさんの姿が可笑しくて、大笑!
 しかも、ダンシングフラワーに大喜びとか、竹田父と気が合いそう(^^;

 
 後半は、大晦日を陽子さん家ですごす一同。
 日付が変わる瞬間のジャンプを提案するらいかさんに、陽子さんがみせた表情。
 さすがのらいかさんも空気を読んでいて、気の毒ながらも面白かった!

 それから、彼女さんと一緒にすごしている陽子兄の様子をうかがおうとする
 まなみさんやマッキーでしたけど、この彼女さんがめっちゃイイ人だったのには、
 心が温まる思いでしたね。

 らいかさんと竹田くんの関係を察して、見守るモードになっていた彼女さんに笑!
 などなど、いやはや何とも、愉快なクリスマスからの年越し模様でありました。
 新たな年も、また健やかでありますようにと願いつつ、今後も楽しみです!

 

 

【新作登場!】
●よろずや男子 (胡桃ちの 先生)

  

 男性嫌いの女性と、彼女を守ろうとする女性と・・・

 夜道を帰るサトミさん。
 彼女は1週間前、ストーカーらしき男に、下着をとられたこともあり、
 一緒のヨガ教室に通うヨーコさんに送ってもらうはずでしたが・・・

 サトミさん、小学生の頃、親切で優しいバイトのお兄さんに
 誘拐されかけたことがあり、その経験から「男嫌い」というだけでなく、
 「人の善意を信じられない」ようになってしまったというから、深刻です。

 なので、ストーカー被害に遭っていても、親切にしてくれるヨーコさんでさえ
 避けてしまい、1人で夜道を帰ることになるのですが・・・

 なんて感じのお話でしたけど、サトミさんの男嫌いになった経緯が割と深刻で、
 そのあたりで引き締まった雰囲気があり、かつ納得感もありましたね。

 人の善意が信じられない彼女が、ヨーコさんとの出会いを経て、
 どう変わってゆくかが見所になりそう・・・と思っていたら、最後の最後に、
 衝撃の事実が明らかになって大笑゜(*゜´∀`゜)゜ タイトルの意味、それか~。

 これは「男嫌い」の方もどう変わってゆくのか、注目せざるを得ません。
 ゆえに、今後に期待です!

 

 

【コミックス2巻、発売中~!】
●ようこそ!オーロラ百貨店 (師走冬子 先生)

  

 冬の装い色々と・・・

 新しいコートを買おうか迷っている水菜くん。
 えにさんのコート姿を思い浮かべておりますが、現実は予想のななめ上で、
 しかも可愛い恰好になっていたから、面白い!

 コーディネイトしたのは、ファッションフロワの福ちゃん・・・と思いきや、
 帽子コーナーの撫子さんというから、意外というか、納得というか(^^;

 いや、福ちゃんのコーディネイトだと、冬に合わない姿になっていたので、
 撫子さんの方がマシというのが、これまた可笑しな所。

 そこを、水菜くんが「えにちゃんで遊びすぎ」と怒ってましたが、
 様々な帽子コーディネイトを、いろんな人たちにした後、
 「自分の趣味に人をまきこむの楽しいね」と言っていたのは、楽しかった。

 仕事上とはいえ、自分が好きなものを、他人にも勧めたくなる気持ち。
 そこにある【幸せを分けたい】という心が、何となくあたたかいお話でした。

 最後も、えにさんに合った帽子コーディネイトができて、
 撫子さんも大満足でしたし、水菜くんの方は可愛かったし(ぇ、
 何とも愉快でありました! なんて感じで、今後も楽しみです!

 

 

【ゲスト作品】
●ローカル女子の遠吠え (瀬戸口みづき 先生)

  

 Uターン女子の憂鬱・・・

 「まんがタイムスペシャル」にて連載中の本作品。
 東京での仕事を辞め、地元・静岡に戻って転職したりん子さん。
 東京と地元のギャップに驚いたり、悩んだり・・・

 今回はおもに、りん子さんの母上が、娘を眺める視点で進行。
 りん子さんがUターンを「挫折」だと認識してしまっていることを
 気にかけるなど、いつもと少し違った母親としての姿勢が、興味深いです。

 
 都落ちなんてよくある話で、「しょんないこと」と母上は述べます。
 りん子さんは、静岡の人がよく使う言葉だと言ってますけど、
 「仕方ない」「しょうもない」「どうしようもない」を統合させたものだとか。

 そんな諦観を込めた言葉を、りん子さんは「堕落」だと指摘していて、
 彼女の生真面目さというか、お固い人柄を感じさせます。

 まあ、それを「没法子(メーファーズ)」だの「是非もなし」だの、
 それぞれの言葉で言い換える先輩たちが愉快でしたが(^^;

 また、静岡の県民性の話から、徳川家康や今川義元の話につながっていたのは、
 私としては興味深い所でしたけど、「しょんない」について語り合う
 ママさん同士の会話は、身につまされるというか、しみじみしちゃいましたねえ。

 
  などなど、「しょんない」をめぐってのあれこれが、面白かったお話でしたが、
 いつもはスナックのママさんとして、スレた感じの母上が、娘を想う母心を
 垣間見せていたのが、よかったですね~。

 本作が気になる方は、「まんがタイムスペシャル」の連載もチェック。
 私も注目の本作品、ますます今後も楽しみです!

 

 

●もんもん (熊野みみ 先生)

  

 様々な日常の1コマが、愉快な4コマ作品。

 新人展・拡大版でも登場してましたが、今回はゲスト!
 最近では珍しい(?)1つネタが楽しい4コマ作品になっています。

 【くすくす】 スーパー銭湯に寄って帰るサラリーマンさん。
 風呂に入った後、スーツを着るのはイヤじゃないかと聞かれ、
 着替えを用意してあると述べますが、1点だけ忘れた姿に「くすくす」。

 【ないない】 仮名を名乗っている“安倍川餅太郎”さん。
 本名は指名手配犯と同じ名前らしく、仮名を使っているとのことでしたが、
 まさかこんな名前いないだろうと思っていたら、もっとヒドイのが出てきて笑!

 【ハァハァ】 風邪で倒れた女性が、憧れの先輩にSOS!
 ところが、部屋には見られたくないタイトルの本が置いてあり・・・
 なんて内容が、あるあるでしたけど、本当にひどいタイトルで苦笑でしたねえ。

 【パチパチ】 テニスの大会で優勝を逃した小林くん。
 解説の山田さんが、小林くんがいかに素晴らしい選手であるかを語ってましたが、
 お茶の間でテレビを観ていた人の感想が的確すぎて大笑! 試合と関係なさすぎ!

 などなど、4コマ・ネタの数々が面白おかしかったです!
 日常の1コマに、何かしらの可笑しな要素を加えて笑いに転化する力量は、
 かなり秀逸だと感じますので、さらなるづづきに期待です!

 

 

【新人4コマまんが展 今月の一本!】
・美術部カルテット (里見環 先生)

 

 ちょっと変な美術部員?

 美術部の部長・音無久実さん。
 彼女が迎え入れた新入部員の花地くんは、ちょっと変わっていて、
 ふつうの絵を描くのは上手いのに、女の子は描けないという・・・

 その理由が、まあ、女体を描こうとすると鼻血が出るというから、面白い(^^;
 しかも、物怖じしない彼の性格と相まって、女体への興味を隠さないあたり、
 愉快なキャラクター。

 そんな彼に対して、落ち着いた音無部長のツッコミが冴えわたり、
 そのやりとりが楽しい4コマ作品になっています。
 キャラクターの面白さに魅力がありますので、つづきに期待したい!
 

②へつづきます。