「お気に入り」紹介風に、成田良悟先生の作品を3つほど。
ライトノベルなので、カテゴリは「その他」としました。
本来なら3作品ともきちんと感想書きたかったのですが、さすがにキビシイもので(^^;
しかしながら、どの作品も面白いです!
成田良悟先生の作品は、ほぼ全て読んでいます。
登場人物の多い「群像劇」風な物語が特徴。
不死者・吸血鬼・首なし騎士といった存在が現れるホラー・ファンタジー要素がありつつも、
そうした“個性的”な奴らに負けないくらいに個性がきわだつ人間も大勢出てきて、
作品世界を縦横無尽にかけまわり、遊んだり戦ったり愛したり陰謀めぐらせたりするのです。
(越佐大橋シリーズには、一応人間しか出てこない・・・かな?)
いずれもエンタテインメント性の高い作品ばかりで、かなり楽しんでおります!
『デュラララ!!×9』
(成田良悟 先生 イラスト:ヤスダスズヒト 先生)
池袋が舞台の、歪んだ愛の物語。
池袋で起きる抗争や事件、そして日常。謎の黒ライダーをはじめ、その渦中にいる人々、また様々な「愛」のカタチを描いた作品です。
この物語を裏から眺める男・折原臨也の完全復活、そして彼と岸谷新羅との過去が語られた巻となりましたが、いや~、さすがな面白さでした。
今回は、物語の“闇の側”が活躍する話だったにもかかわらず、「痛快さ」と「痛い目をみる」という楽しさを感じさせてくれる、上手いつくりになっていたように思います。
あと、今まで地味っぽかった新羅のキャラクターが、くっきりと印象付けられたな~。それと、泉井カッコ良くね?いや、イラストですけど・・・
『ヴぁんぷ!Ⅴ』
(成田良悟 先生 イラスト:エナミカツミ 先生)
色んな吸血鬼のお話。
ドイツのグローワース島に住まう「子爵」ゲルハルト・フォン・バルシュタインは吸血鬼。
世にも奇妙な姿をした彼と、その息子と娘、多くの同族や人狼、そして人間たちが巻き起こしたり巻き込まれたりする騒動を描いた作品です。
島で起きる連続殺人事件が、この巻での主要なエピソードでしたけど、やはり何よりもヒルダのことが大きかったですねえ。
まあ、「支配下に置いた恋人」なんてものは、恋人と呼べるかどうかはわからんでしょうから・・・・・・
そして、ヴォッドのアニキっぷりが最高すぎ!物理的な「強さ」だけでなく、精神的なそれの大きさを感じましたよ。
『バッカーノ!1710』
(成田良悟 先生 イラスト:エナミカツミ 先生)
不死者をめぐる、時代をこえた大騒ぎ!
特定の主人公はいない、誰もが主役な群像劇。
1700年代、1930年代、2000年代と、それぞれの時代ごとに物語がつむがれます。やがてそこに、ある人物の吐き気をもよおすような悪意が存在することが分かり始めるのですが・・・
この時代、この出来事が起きることは、未来の物語を読んでいれば分かっていたことなのですが、やはり成田先生の作風らしからぬ終わり方に、とてつもない切なさを感じずにはいられませんでした。この表紙絵を見ているだけでもう・・・
次回はヤツ視点の話になるとかで、一体どうなってしまうのか、期待と同時に不安でいっぱいですが、楽しみにしております!
以上3点、「デュラララ!!」「ヴぁんぷ!」「バッカーノ!」と最新刊の紹介をしてきましたが、
このほかにも『バウワウ!』をはじめとする「越佐大橋」シリーズや、
これら4作品とは世界観が異なる『世界の中心、針山さん』シリーズがありまして、
いずれも楽しい作品となっています。
「越佐大橋」は、いったんシリーズ完結して、現在は外伝エピソードで続いている状態。
「針山さん」は、短編を連ねた(でも関連エピソードでまとまった話となる)作品で、
私などは2巻・3巻あたりでは、けっこう感動めいた想いを抱いたりもしたほどでした。
成田先生作品は、読んでいてジェットコースターに乗っているかのような
盛り上がりを感じることが多く、しり上がりに面白くなる作風であると感じます。
ためてためて助走して、一気に駆け下りる!といった感じですね。
読んでいて、本当「楽しい!」と思うことが多々あります。
いずれのシリーズも、私にとっては大好き作品。
今後もますます楽しみです!