ヤングキングアワーズ 2018年7月号より
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●僕らはみんな河合荘 (宮原るり 先生)
コミックス10巻は6月30日、完結11巻は7月30日発売!
さらに、画集が8月30日に発売と盛りだくさんですが、今回、番外編もついに完結!!!
最後の主役は、高橋くん。
何やら、恋人との関係で問題を抱えている様子で、そんな彼の心情と、
彼から見た律さんと宇佐くんの関係について、描かれたお話になっていました。
大学では、律さんとはゼミも一緒のようですが、彼から見た律さんは
「ずいぶん人当りがよくなった」とのことで、だいぶ変わったみたいですね。
一方で、高橋くんは相変わらず、笑顔が爽やか好青年といった趣ですけども、
胸の内には悩みもあって、複雑な状況でもあるようです。
思い出という美酒。
そして高校時代、彼が律さんに興味を持った時の話もありましたけど、
本を読んでいる彼女に声をかけても、無視された(気付かれなかった)のは笑!
ただ、はじめは「外見は好み」なものの、無表情で無口で変わった子なので
アプローチする気はなかったのに、本を読んで笑う律さんの表情を見てから
興味を持ち始めていたのは、面白い所だと感じました。
また、恋人と上手くいっていない高橋くんは、その時のことを思い出しながら
律さんへの未練を抱いている風でもあって、気になりまくりでしたね。
ゼミにて・・・
教授が取り上げた題材は、まさかの「城しづる」作品!
ということで、律さん大歓喜・・・と思いきや、複雑な表情になっていたのは愉快。
事情を知らない高橋くんは「?」でしたけど、律さん、大学に入っても未だに、
作者と作品のギャップに苦悩しているんですねえ(^^;
でも、教授の語る作品からイメージする作者像が、ドンピシャだったのは笑!
そして、そのことで律さんが、教授に尊敬の眼差しを向けていたのも可笑しかった。
横にいる高橋くんが、笑顔で「なんで」とツッコんでいたのも。
何だかんだで、律さんは大学生活を満喫しているというか、だいぶ楽しんでいる風で、
かつての人見知り時代から考えると、大きく変わったのだな~と思えます。
高橋くんの抱える悩み・・・
飲み会では、ふだん律さんは一次会しか出ず、二次会の誘いは断るらしいのですが、
その理由が宇佐くんと会いたいから、なんて言ってるのには、もうアツアツ~!
って感じでしたね。
ところが、ゼミの新人歓迎会では、やたらとペース早いわ、二次会行くと言い出すわ、
何やら荒れている様子から、宇佐くんと何かあったんだな~と察せられる所がわかりやすい。
と、そこへ高橋くんのスマホにカノジョさんから連絡が・・・
上手くいっていない2人のやりとりは、息苦しい内容で、彼女の言葉が色々と刺さります。
「優しそうにしているだけで優しくないよね」「逃げてばかり」
そんなカノジョさんに、高橋くんは面倒くささを感じているようで、
「確かに好きだったはずなのに」と、寂しそうにしていたのが印象的でした。
まあ正直、人によるとは思いますけど、面倒くさいと感じる時って来ますよね。
日々の生活の中で関係を維持してゆくことの難しさというか、そうしたものって
どうしてもあるわけですが、問題はその時、自分がどう対処するか、ということでしょうか。
アヤシイ展開に・・・!?
荒れた律さん、二次会にてカラオケ大熱唱!
しかも歌っているのが国歌って(´▽`;) まあ、レパートリー少ないですものね。
しかし、周囲は笑いをこらえたり戸惑っているのに、高橋くんが笑顔なのはさすが。
そして、宇佐くんに怒っている律さんをなだめる高橋くんでしたが、
後輩さんから「二人が付き合ってるんだと勘違いしてました」なんて言われて、
考えにふける高橋くんが、アヤシイ気配。
「特性を箇条書きにしたら」宇佐くんよりも「俺の方が分があった」とか、
けっこう自信家な所を見せつけてくれますけど、確かに一般的にはそうかもしれませんね。
ただ、それでも律さんは、高橋くんではなく、宇佐くんに惹かれていたわけで・・・
そこで、宇佐くんと上手くいってなさそうな律さんに、「今度二人でご飯でも行く?」
なんて持ちかける高橋くんが、ちょっとワルい感じで、危険きわまりなし!
これはアヤシイ展開になってしまうのか!?
と、不穏になるかと思いきや、律さんはあっさり「なんで?」と返答していて笑!
高橋くんも、そうだろうとは思っていたらしく、大笑いしていたのは面白いのですが、
ワンチャンあったらという気持ちがなかったかといえば、どうなのでしょうね?
さらに、律さんの宇佐くん「大好き」宣言が、あまりにも可愛らし過ぎて・・・
その後、嬉しそうに笑いつつ、宇佐くんがいないことに気付くや、急に寂しそうにするのも
小動物みたいで可愛かったですね~。
上手くいっている2人の関係。
酔った律さん、麻弓さんの真似をして、宇佐くんを呼び出していたのは愉快。
河合荘での生活が、こんな所で役立つとは(役立ってるん?)
それはともかく、律さんを抱えながら帰途につく宇佐くんでしたけど、
そこに高橋くんが「ベタボレだってさ」と声をかけた所、「トーゼン、スよ」と
返答する表情が、にやけ気味で面白かった。
そんな彼を眺めながら、律さんと宇佐くんとの関係について考える高橋くん。
律さんの「大好き」宣言までに至る道は、宇佐くんの頑張りの積み重ねが
少しずつ少しずつ作り上げてきて、ようやく構築できたものだろうと。
自分には、そんな面倒くさいことはムリだと思いつつ、ゆえに律さんへの
未練のようなものを抱くのは、「正しくない」「みっともない」と考えていたのが、
とても潔くて、好感を持ててしまいましたよ。
だからこそ、後悔すべきなのは今の自分と恋人との関係。
宇佐くんの頑張りを見習うかのように、関係改善への一歩を踏み出していたのは
素敵でありました・・・ 律さんと宇佐くん、2人のおかげとも言えますね。
などなど、高橋くんの悩みと、彼から見た律さんと宇佐くんのお話でしたが、
やはり恋人関係に大事なのはマメさなのだと思わされました(ぇ
いや、ホント大事なことですよ・・・面倒くさがりには辛い現実(何言ってるの?)
そして、ついに番外編も終了とのことで、これにて本当に「河合荘」は完結。
寂しくはありますけど、同時に、律さんと宇佐くんならば大丈夫だと、
確信を持てるようなラストでもあって、よかったなと感じます。
ついに完結!
長きにわたって描かれてきた「河合荘」の物語も、本格的に終わりを迎えました。
私が本作を読み始めたのは、4コマ漫画で宮原先生の作品に触れていたことが
大きいのですが、期待にたがわぬ面白さで、さすがの一言でありました。
そして、本作のおかげでアワーズを毎月読むようになったのですよね。
「ナポレオン」や「それ町」などはコミックスで読んでましたし、
「アルペジオ」「ドリフターズ」にも注目していましたけど、雑誌は未購読でしたから。
また、最初は感想なんて書くつつもりなかったのに、結局、書くようになったのも
本作の影響が大きく、そんな作品が終わってしまうことの喪失感は、はかり知れません。
変わり者であったり、一休みしているような人々が住んでいる場所。
そこで繰り広げられる「くだらない日常」の愉快さと、そこに住む人たちの掛け合いと、
そして宇佐くんと律さんのウダウダ恋愛模様とが、本当に楽しかった。
だからこそ、終了は本気で寂しいですし、この日常をもっと感じていたかった・・・
とも思いますが、終わりはいつか必ず訪れるもの。
名残惜しくはありますけども、それでも、存分に、楽しませていただきましたーーー!!!
語りつくせぬ想いがありつつ、最大限の感謝を込めて・・・
ありがとうございました!