本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

古墳の顛末

2020-10-14 09:20:39 | Weblog
 東レ関連の大津工場の知人を訪ねたことがある。
 その時に聞いた話だが、敷地内に新工場を建てるときの基礎工事で大昔の遺物が出てきるそうだ。

 これがやっかい、工事はやむなくストップしなければならない。埋蔵文化財保護法により届け出る義務がある。そして、その場所の学術的調査がはじまるわけだ。
 OKが出るまで何か月もかかるだろうから、新工場計画の練り直しになるのだ。
 近畿圏は至る所で文化遺跡が眠っているだろうから極めて穴掘のりリスクが高い。

 九州北部も大陸に近いため遺跡が多い。たしかに車で走っていると田畑の中にポツンと小山がある。それらはすべて古墳のある墳丘ではないだろうが、その可能性はある。
 地面の埋蔵文化財ではないが、露出している古墳も埋蔵文化財保護法の適用になるでしょうね。

 古墳墓は石窟だからたくさんの石が使われている。木造と違って朽ちないから現代まで残る。と思っていたが違った。それらは武家時代になって石垣に使われて文化財保護どころか築城の足しに転用されたようだ。
 江戸城の城壁のあの石垣の一部はどこそこの古墳の石だという風に。ずいぶん築城による古墳あらしをしたものだ。当然、副葬品の貴重な遺物もなくなっただろう。

 古墳時代の遺跡とその遺物が失われて、その時代の考証に支障をきたしたのではないか。 
 その報いか、明治になってアンチ官軍の城が取り壊された。もっとも石垣は残ったけれど。