「尚」(しょう)という名の友人がいた。惜しくも六十半ばで逝った。
彼の名前の由来を聞き漏らしたが、多分、親父さんは「太公望」に由ったと思う。周の文王の軍師、太公望の名が「尚」である。
ある日、文王が魚釣りをしていた老人を見て、祖父の大公が望んでいた聖人はこの人物かと言って迎えられた。それで、号を太公望とつけられた。これ、陳舜臣の『小説十八史略』からの受け売り。言うまでもなく、釣り人を太公望という所以でもある。
ついでに加えると、「覆水盆に返らず」は太公望の伝説にある。別れたかみさんが、出世した太公望に復縁を迫ったところ拒まれたというエピソードから、二度と元に戻らないとの意に使われたとか。
これでは、かみさんは可哀相だ。釣った魚を釣り落とした、とすれば太公望らしいのだが。
彼の名前の由来を聞き漏らしたが、多分、親父さんは「太公望」に由ったと思う。周の文王の軍師、太公望の名が「尚」である。
ある日、文王が魚釣りをしていた老人を見て、祖父の大公が望んでいた聖人はこの人物かと言って迎えられた。それで、号を太公望とつけられた。これ、陳舜臣の『小説十八史略』からの受け売り。言うまでもなく、釣り人を太公望という所以でもある。
ついでに加えると、「覆水盆に返らず」は太公望の伝説にある。別れたかみさんが、出世した太公望に復縁を迫ったところ拒まれたというエピソードから、二度と元に戻らないとの意に使われたとか。
これでは、かみさんは可哀相だ。釣った魚を釣り落とした、とすれば太公望らしいのだが。