本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

太公望

2010-01-31 12:19:25 | Weblog
 「尚」(しょう)という名の友人がいた。惜しくも六十半ばで逝った。
 彼の名前の由来を聞き漏らしたが、多分、親父さんは「太公望」に由ったと思う。周の文王の軍師、太公望の名が「尚」である。

 ある日、文王が魚釣りをしていた老人を見て、祖父の大公が望んでいた聖人はこの人物かと言って迎えられた。それで、号を太公望とつけられた。これ、陳舜臣の『小説十八史略』からの受け売り。言うまでもなく、釣り人を太公望という所以でもある。

 ついでに加えると、「覆水盆に返らず」は太公望の伝説にある。別れたかみさんが、出世した太公望に復縁を迫ったところ拒まれたというエピソードから、二度と元に戻らないとの意に使われたとか。
 これでは、かみさんは可哀相だ。釣った魚を釣り落とした、とすれば太公望らしいのだが。

詐欺の横行

2010-01-30 11:55:40 | Weblog
 日本の個人金融資産は千四百兆もあるとか。金のない我が身には信じられませんわ。でも、その預った金で銀行はせっせと国債を買うわけですな。

 つい最近、携帯充電器のマルチ商法なるものが摘発された。ちょいと考えれば胡散臭いと思いそうなものなのに、口車に乗って引っかかる。また、廃品回収に高額の金を巻き上げられる。オレオレ詐欺に母心を手玉に取られて金をふんだくられる。
 これらが後を絶たないのは、被害者はお金をお持ちだからでしょうね。お金がなければ騙されようがありません。

 ところで、お金に縁のないやっかみから不謹慎ではあるけど、騙したお金が消費に使われるのであれば、タンス預金で眠るよりよいかなと思ったりもする。むろん、使い切った後は逮捕して服役させましょう。

ある講演を聴いて

2010-01-29 12:59:07 | Weblog
 過日、ある資料館の館長の講演を聴いた。その話し方の下手さにあきれた。多分、講演に慣れていないのだろうが、「JR」にも欠けていたと思う。すなわち、準備とリハーサルだ。

 漢字の表意性と仮名の表音性がミックスされている漢字かな混じりの日本語は、スポークン・ランゲージにやや適さないのではないか。文章では筋書きがわかるのだが、そのとおり声に出しても理解に骨が折れる。表意文字ひとつの欧米語がスピーチ向きであるのと大きな違いだ。

 いきなりマイクを突き出されると、しどろもどろに話す。むろん、答えるべき考えが整理されていないこともあるが、漢語と和語の言葉が錯綜する表現はコメントにしくい。それで、何を言っているのかわからない話し振りになる。

 講演する人のなかには話し振りの上手な人がいる。きっと「JR」で言葉を練り上げているに違いない。あるいは講演ズレしているかもしれない。
 そうそう、先の館長は話の組み立ても下手だった。これは話し方とは別だ。話す資質に難があるのではないか。

血液型分布

2010-01-28 14:01:33 | Weblog
 日本人の血液型はA型が40%あるとか。ちなみにO型30%、B型20%、AB型10%の比率とある。A型の気質は気配り、B型の気質は開放的という。この性格分析は本当に信用に足りるものか知らないが、本に興味深い話があった。

 それは血液型の地域分布についての仮説である。人類が住みはじめた地域が森林や山岳などの見通しのよくない地形にあっては、気配りが必要だからA型、広々とした草原や砂漠の民は開放的なB型になったというのだ。実際、日本やヨーロッパはA型が多く、中央アジアからシベリアにかけてはB型が多いらしい。

 私は内陸型盆地の生まれで、確かにA型である。一方、狭い日本だがB型もいる。この面々のルーツは北方民族だろうか。それとも、背後に山が迫らない海岸地域に定住して、B型になったのか。
 つまらんことを考えて、本を閉じました。


言葉の壁

2010-01-27 10:35:47 | Weblog
 外国人が日本語をいち早く覚える例として相撲取りを挙げていた。関取になり、さらに三役、横綱と出世する目標があるからモチベーションが高い。
 これに対し、野球の外国人選手は日本語がペラペラとはならない。彼らの目標は大リーグだから、一時的な金稼ぎの助っ人では、言葉の習得に熱心にならない。
 読んだ雑誌はそんな趣旨だった。なるほどそのとおりかもしれない。

 少し敷衍したい。角界には特殊な用語がある。先ず「四股」、「そんきょ」、「ちょんまげ」等々だ。技の用語も多彩だ。親方の指導や付け人の役割に係る言葉もしっかり頭に叩き込まなければ、まさに相撲にならない。ただし、力士にコメントを求めても単発的な言葉を発するだけだ。もっとも、それは日本人力士にもいえる。特殊用語の世界では、普遍語の使い方がうまくいかないのだろう。
 一方、野球用語は英語がベースで、ことさら日本語に通じなくても不便ではない。その違いが大きいのではないか。

 囲碁の世界も言葉の上達の早さは相撲に似ている。段位を上げ、あるいはタイトルを取る目標があるからだ。ゲームのルールは同じだが、ノゾキ、放り込み、タケフ、こすみ、カカリ等々日本語による専門用語が必要だろう。
 先日、テレビでマイケル・レドモンド九段が解説していた。かみさんは日本人より流暢だと感心していた。レドモンド九段は若いころから日本語が達者と思っていたが、解説だからということもある。つまり、専門用語がポンポン出るのだ。
 特殊な社会では、言葉の壁は乗り越えやすいということだろう。