本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

年の終わり

2012-12-31 09:40:41 | Weblog
 この年も今日でおしまい。
 毎日、毎日もて余すほど時間があるのに、月日の経つのは速い。矛盾というか二律背反というか、変な感じだ。

 まぁ、事もなく年末に至ったが、仏教的には四苦八苦を背負って過ごしているらしい。この四苦とは「生、老、病、死」の四つ。生まれた時から現世は苦なんですね。そして死に至るまで苦の連鎖なんですな。

 また、老とは何も高齢のことを意味するものではないようだ。その時その時が失っていくことが老というそうだ。だから老境の意味ではなく、幼児から壮年までも老を背負っているというわけ。
 となれば、誰にとっても過ぎ去るお正月はめでたいといえない。

 ついでに八苦とは、先の四苦に「愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦」の四つを加えたものだとか。
 お釈迦さんもいろいろ考えるものだ。

ある論文を読んで

2012-12-30 11:22:39 | Weblog
 『月刊ウイル』2月号の中西輝政氏の論文「中国の奥の手は「敵国条項」だ」に、膝を打ったり目からうろこが落ちたりと、読み応えがあった。

 中国の悪巧みは言うまでもないが、日本政府の軟弱、とりわけ外交の不作為、財界人のへつらいぶりにあきれ返る。
 ぜひ、一読を薦める。

 さて、安倍政権はどんな対応をするか。あんべ(安倍)悪い、心臓(晋三)に悪いなんぞとなって、中国に対峙しないようでは困る。

ジェーンのメール

2012-12-29 09:44:13 | Weblog
 一昨日、ジェーンにメールを送った。
「ジョンは二度目の奥さんとseparated したとあるけれど、離婚したのか、単に別居中か。もし、離婚しているならば復縁してはどうか」と。
  
 ジェーンから返信がきた。一部を引く。
 John has separated from his wife and is living on his own. I think they might get divorced next year. I feel sorry that he is not happy. I hope that we can be friends in future, but I don't think we could live together again. It has been too long!

「ジョンは奥さんと別れてひとり暮らししているわ。来年、離婚するだろうと思っている。彼の不幸は残念だけど。
 今後は友達づきあいなら私は望むけれども、再び一緒に生活しょうとは思っていませんの。(そうなるには別れてから)長すぎたのよ。」

 ジョンが出て行ったとき、相当にうろたえていたが、時が経つと女性は強くなるようだ。

直木賞受賞作「蜩ノ記」

2012-12-28 13:50:50 | Weblog
 2か月以上前に、直木賞作家葉室麟氏のサイン会があった。本を買ってサインを求める行列ができていた。私は本もサインも関心なかった。

 新聞記者OBと呑んだ際、受賞作の『蜩ノ記』は面白いと言う。ブン屋さんの言い分だから読むにあたいすると思った。だが、私には面白味がわからなかった。

 消極的だった直木賞選者の選評を引用する。
 宮城谷昌光:小説としては、風致にすぐれ、ずいぶん目くばりがよく、瑕瑾も減ったが、惜しいことにおどろきがない。良く書けている、というのは、創作へのほめことばにならないときが多い。氏は、「人を愛する」という点において、デモーニッシュな面をもっており、それが作品のバランスをくずしたことがあるので、自制し、自粛したのかもしれないが、行儀のよさは魅力にはならない。むずかしいところである。

 桐野夏生:秋谷が死を賜る理由が、高潔な人柄に似合わない出だしに強く惹かれた。だが、物語は次第にお家騒動的な、既視感に満ちた話に転換していく。秋谷をもっと魅力的にするには、監視役として遣わされた庄三郎の圧を高め、板挟みとなった懊悩をもっと描くべきだったと思う。読み手は死を避けて貰いたいと願っている。ために、秋谷の悟りが逆にリアリティを感じさせない。

 宮城谷氏は減ったと言うが、私には瑕瑾が目立った。例を挙げると、身分制度の厳しい時代、仲が良いとはいえ百姓の子が武士の子を呼び捨てにするものか。フキノトウとタラの芽が同じザルにあるが、採れる時期が全然違う。ほかにもたくさんある。

 桐野さんの考えと違って、小説の中核となる男秋谷の行動に死を賜る理由は解せない。主君の側室を暗殺から守って罰せられる。これ、理不尽でしょう。

クリスマス・カード

2012-12-27 10:25:09 | Weblog
 イギリスはランカスターに住むジェーンからクリスマス・カードが届いた。

 8年ぐらい前に亭主のジョンが家を出た(つまり離婚した)。息子のファーガス3歳、ドミニク1歳にもならない時だった。ジェーンのメールで知って、大いに慰めたものだ。
 それ以来、ジェーンとはメールやカードをやり取りしているが、ジョンとは没交渉になった。

 実は、ジョンが私の知り合いだった。ジェーンとは結婚前にロンドンで、結婚後に訪問したランカスターで1度ずつ会っただけ。それが今ではジョン抜きだ。

 さて、カードによると、ジョンは2度目のワイフと離婚した由。あらら。
 復縁迫られたらどうするかジェーンに訊いてみよう。でも、今さら駄目だろうな。