本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

時刻表記念日その4

2020-10-08 08:33:45 | Weblog
 フィレンツェはルネッサンス芸術の揺籃の地といわれている。見るところ満載なのだが、早めに列車に乗って、ローマを通過し一足飛びにナポリに行く予定である。
 
 ちょっと一言、16時5分発の列車に乗ったつもりが、この列車は15時55分ごろ発車した。変だと思って、同席の初老の男性に「この列車はナポリに行くか」と訊く。むろん、イタリア語会話集の助けをかりて。答えは「ノー」。鉄道の旅に馴れて、乗り違いの念頭がなかった。この列車はアテネからベオグラードを経由してローマに行く。16時5分発の列車は途中で追い越して行った。プラットホームの勘違いという失敗だ。

 間違って乗った列車は19時50分にローマ着。20時27分発のKPエキスプレスに乗り換える。KPはパレルモとローマ(シチリア島)の頭文字である。

 ちょっと一言、この列車の同席にパレルモに帰る中年の夫婦がいた。このご主人は禁酒法時代に出てくるマフィアの容貌と思ったのは、映画ゴッドファーザーの影響か。奥さんは気品があって、失礼ながら美女と野獣だ。しかし、人情味豊かなご夫婦で、ぜひ一緒にシチリア島にいらっしゃいと誘われた。マフィアの抗争の話を聞いていたので怖気づいて何とか断った。パレルモには翌朝9時21分に着くとか。

 22時31分に到着したナポリで降りて、シチリア島の夫婦に手を振って見送った。(続く)