本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

コンサートのチケット

2006-11-30 15:24:23 | Weblog
 図書館で借りた本に未使用の名曲コンサートのチケットが挟んであった。4ヶ月前の開催のものだ。しおりに代用し、そのまま返却したのだろう。開催日になって、チケットを探しただろうが、これでは見つからない。
 その本(時代物の小説)の関心度からいえば、借りた人は男子高校生だと思うが、コンサートとなれば女子高校生かもしれない。いずれにせよ高校生である。その推測はいたって簡単。高校生以下500円(当日1,000円)のチケットだった。
 
 男の子なら一緒に行くデートの相手がいて、やむなく当日券を買ったに違いない。全部自由席とあるから並び椅子で聴ける。女の子なら複数の仲間がいただろう。当日、体の調子が悪いといって「ごめんね、行けなくって」と連絡したような気がする。1,000円券の買いなおしはしゃくにさわるだろうから。
 歳をとると、高校生にこの程度の想像しかできない。今どきの高校生の実のところはどうだろうか。

重ねて、重ね言葉

2006-11-29 12:13:58 | Weblog
「小言を言う」を重ね言葉だと書いていた本もがあるが違う。文章語として通用する。では、どう区別するのだろう。二つの区別があるように思う。
 
 動作名詞(「する」を付けて不自然ではないもの)は重ね言葉になりやすい。「後で後悔(する)」「発売を開始(する)」、「アンケート調査(する)」、「馬から落馬(する)」と言ったぐあいに動作名詞は「する」が付いて複合動詞になる。ところが「小言(する)」とは言わないから動作名詞ではない。動作名詞による区別方法、これが一つ。
 
 次に、字音語、つまり音読み熟語も重ね言葉になりやすい。先に挙げた熟語はすべて音読みである。一方「小言」は字訓語だ。「こごと」であって「しょうげん」とは発音しない。小言の類語に字音語の「苦言」がある。仮に「苦言を言う」とすれば重ね言葉っぽい。そんな成句はないが。「苦言を呈する」が文章語である。音読みか訓読みかによる区別方法、これがもう一つ。
 ほんの今、思いつきのなんら学問的裏付けはないが。

重ね言葉

2006-11-28 11:17:28 | Weblog
 以前、同じ意味の重ね言葉の話しを書きました。「後で後悔」、「一番最初」の類いですね。もっとくだけると「後ろへバック」とか「後続が続かない」とか「最後のラストスパート」なんてある。
 一部はうろ覚えですが、「いにしえの昔、もののふの侍が、馬から落馬して、面目ない面子が立たぬと、腹を切って切腹した」という重ね言葉のヒナ型みたいなものがありますな。これは戯れ文ですが、似たような戯れ文を平気で綴った文を今回紹介したい。

「家主はエヴァ・スタンリーという女性であるが、彼女はロンドンの家主に多い、独身のオールド・ミスではなく、既婚婦人で主人もあったが、ホテルの経営はエヴァの手でなされていたのである。」
 ただしこれ、孫引きですからこの著者も本の名も知りません。何でも漱石滞在時代のロンドンにまつわる随筆らしい。これが本当なら、著者も編集人も校正者もみんなバカですわ。
「独身のオールド・ミス」、オールド・ミスは独身に決まっている。「既婚婦人で主人もあった」、旦那がいるから既婚夫人でしょうに。まァ、未亡人ではないことを言いたかったのだろうが、お粗末な表現ですわ。

 重言ではないが、ついでに加えれば、「ホテルの経営」はぴったりの表現ですかね。家主なら「下宿の経営」と思うけど。「主人もあった」の「あった」も気になる。存在の場合、生き物は「いる」、無生物は「ある」が基本ですから「主人もいた」ですな。生き物の例外は商品だけですよ。「ドジョウあります」、「クジラあります」と言いますもの。もっとも、クジラは切り身でしょうけど。この主人も切り身にして売っていたかも。

スィート・ルーム

2006-11-27 16:09:45 | Weblog
 もう30年前にもなる。米国視察団の一員に加えてもらった。ただし、ケチな出張費だから格安チケットの中華航空で飛んで、現地参加である。第1日目の宿泊だけは視察団が泊まるニューヨーク・ヒルトンにお願いした。
 ホテルについて腰を抜かした。15階にあるスィート・ルームだった。実はホテル側の手違いで、5人分の部屋割り当てができず、そこが用意された部屋だった。むろん、料金は予約時の値段であった。
 広いリビングからそれぞれ5室が続き部屋になっている。大統領時代のフォードが宿泊する部屋とのことだった。メンバーは15名ほどだったと思うが、その部屋に割り当てした事情は知らない。赤の他人同士だから喜んでその部屋を希望したということでもなさそうだ。希望が多ければ、後から着いた私なんぞに割り当てはしないだろう。ただし、私の寝室はコネクティング・ルーム(付け人や警固人用の部屋)に違いない。唯一、窓に面していない入口傍の部屋だった。それでも得がたい経験だった。
 
 翌日、私は数ブロック離れた安宿に移った。その落差もすごい経験だ。むろん、我が安宿は頑として教えなかった。滞在中は、集合時刻前にヒルトンに来て、視察メンバーと合流したものだ。ロビーで待つ間、タイムズの一面にジョン・クロフォードが亡くなった記事があって印象深い。
 
 ワシントンに移動し、その日のうちに視察団と別れ、英国に向かった。ケンブリッジ(ただし、大学ではない)に用があったからである。帰りはまた格安のアエロフロートである。


おまわりさんの結婚問題

2006-11-25 12:57:39 | Weblog
 めっきり寒くなった。近所の飲み屋で熱燗を呑んだ。飲酒運転厳しい折でヒマらしい。が、こればっかりはやむを得まい。
 中年の女性が入ってきた。おかみさんが目配せした。話しに聞いていた、例の駐在所のおまわりさんと交際している女性である。
 最近、かのおまわりは冷たいらしい。結婚の色よい返事はぼかされる。それが心配で、仲介したおかみさんに話にきたという。離婚同士の五十代の男女が結婚するのしないのなんて、あまり艶っぽくないし、関心もないが、どうやら女性のほうが熱を上げているようだ。うがってみれば、定年間近の警官と所帯を持つのは降って湧いたおいしい話とも思える。むろん、それが悪いことではない。かのおまわりもその立場にあることを意識しているフシがある。
 おかみさんの話によれば、甲斐甲斐しく所帯の面倒をみるタイプで、現に、かのおまわりも重宝しているらしい。つまり利用しているのではないか。

 そんなわけで、やつがれのカンでは7割方この交際はおじゃんになりそうな気がする。
 のらりくらりであれば釘を刺そう。警官が結婚サギで訴えられたらみっともない。