本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

敬語

2007-02-28 15:37:24 | Weblog
 ちょっと前に、文化審議会が「敬語5分類化を答申」とする新聞の見出しがあった。敬語を尊敬語、謙譲語Ⅰ、謙譲語Ⅱ(丁重語)、丁寧語、美化語に分類するという。ばかばかしい。今の3分類で十分だろうと思う。丁重な挨拶と丁寧な挨拶はどこが違いますかね。 細分化すればさらに隔壁が薄くなって、どこに属するか混乱する。ミンチにした肉ならともかく細かくして咀嚼できるわけがない。
 昔は敬語の使い方に圧力がなかったそうだから、ファミリーレストランやコンビニのいびつなマニュアル語が敬語のあり方を誘発したのかもしれません。

 答申によれば、お酒、お料理、お化粧、ご祝儀は美化語になるそうだ。美化語も敬語の一種として見立てているが、一方、この「お~」と「ご~」は、現在、丁寧語に一括りしている。そのほうが簡明だ。美化語とは、たとえば便所は印象が悪いから化粧室に、死亡は露骨だから永眠や他界や逝去と言い換えるものと思っていました。

 ところで、この「お」は訓読み(和語)に、「ご」は音読み(漢語)に付くのが基本とあるけど、お勉強、お電話、お会計、お食事、お利口、お正月といくらでも音読み言葉に「お」が付く。当てになりません。
 
 敬語ではないが、「だい」は音読みに付いて大日本、大企業、大事故、大規模といい、「おお」は訓読みに付いて大金持ち、大雨、大食い、大暴れという。こちらの基本は適っているが、おお火事、おお地震もある。なんでも例外があるから面倒でたまりません。

きっかりとかっきり

2007-02-27 11:04:54 | Weblog
 安倍首相は「しっかり」が口ぐせだが、マスコミから指摘されてさすがに控えたようだ。この「しっかり」のように「○っかり」の副詞は、うっかり、すっかり、ぽっかり、ちゃっかりなどがある。
「○っ○り」となれば、にっこり、きっぱり、さっぱり、もっこり、きっちり、くっきり、ゆっくり、むっちり、ぴったり、みっちりなどはっきり言ってびっくりするほど多い。活用語の語幹や副詞に接尾辞の「り」がくっ付く言葉が、もっさり、こってりあるということでしょうね。 
 これらには「と」の格助詞(あるいは強調の意の副助詞かな)が付くが、「やっぱり」は「と」がついて「やっぱりと」とはならない。なぜだろう。「やはり」の音便化だから他とは異質かもしれない。待てよ、「のそり」が「のっそり」、「どきり」が「どっきり」と音便化するが「と」が付いておかしくない。これ、説明がつきそうだけど、じっくり、とっくり考えます。
 
「かっきり」と「きっかり」には、共通して「ちょうど」の意味であるので、「かっきり五時に着いた」、「きっかり五時に着いた」の両方の表現が見られる。しかし、いろいろな辞書を見比べると「かっきり」は区画などが正確であること、「きっかり」は時間、数量が正確であることと分別できそうだ。となれば「きっかり五時に着いた」が正しい。もう一方の用法は「宅地と畑はかっきり線引きされた」となるか。
 宮城県石巻市では「かっきりまつり」という祭りがあるそうだ。稲刈りが終わった後の祝いらしいから「かっきり」は「刈りきり」の音変化だろう。これが語源かどうか分からないが、稲を刈り取った後の田んぼは区画が歴然としている。「かっきり」と区画とは関係ありと思うが、はっきりしません。

 なんだか、がっくり、ぐったりした。

多様な使用文字

2007-02-26 13:00:18 | Weblog
 日本文は漢字仮名混じり文といいますけど、使用する文字を細かく分ければ、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、漢数字、アラビア数字、ローマ数字となる。全ての文字を使えば、「パソコンSⅢ格安8万円三日間に限る」といった三行広告ができる。
 その上、使用方法によって漢字は、字音語、字訓語、和漢混用語に分けられる。さらに和漢混用語は、重箱読みと湯桶(ゆとう)読みに分解される。言葉ではないが、区切り符号や繰り返し符号も用いられる。まことに多種多様でありますわ。

 蛇足を承知で付け加えると、区切り符号は句読点、中点、かっこ、かぎかっこ、二重かぎかっこはもとより、三点リーダ、ハイフン、コロン、アスタリスク、米印、疑問符、感嘆符など様々ですな。繰り返し符号は同の字点、一つ点、一つ濁点、くの字点、一の点である。同の字点は我々の「々」、一つ点は、たたみの二番目の「た」のように同音を繰り返すためのおどり字ですが、小生、パソコンで表出できません。一つ濁点は、ただしの「だ」のように同音の下音が濁るときのおどり字、これも表出できない。以下も同じです。くの字点はいろいろ、さまざまのように2字の繰り返しのおどり字、一の点はテンテン、つまり表の中で、上と同じですよという表示ですね。

 漢字についても蛇足を重ねます。字音語は音読み漢字、字訓語は訓読み漢字ですから、生物(せいぶつ、なまもの)や最中(さいちゅう、もなか)のようにどちらでも使う。
重箱読みは前の漢字が音読み、後の漢字が訓読みですね。重箱はまさにそうですが、頭取、蛇口、相場、定宿、新手、万年雪もそうですね。湯桶読みはその反対、ゆおけと読めば単に字訓語ですけど、ゆとうと読ませたわけですね。見本、消印、手本、雨具、甘党、成金なども前は訓、後は音ですな。こんな例はたんとあります。

 小生、ビジネス文書の講座で、こんな脱線話をしています。

ゲンちゃん

2007-02-25 17:23:39 | Weblog
 一ヶ月ほど前、子犬の「ゲンちゃん」の話を書いた。近所の美容院の家の人がどこからか貰ってきたらしい。その犬を「飼いませんか」と言われた。動物を飼えば、放置するわけにいかないから旅行ができない。そのわりに海外旅行はご無沙汰だが。それで断ったが、生来、かみさんは動物好きだから、毎日のように散歩に連れ出す。運動によいようだが、綾小路某さんの漫談で言えば、ダイエット、犬の散歩で犬が痩せ、だったりして。

 そのうち大きくなれば「ゲンさん」だが、大工のゲンさん、左官屋のゲンさんはサマになるが、「美容院のゲンさん」はどうもすっきりしませんな。

 今日は、衝動的に種芋を買い求めた。明日は畑仕事だ。

クラスター弾

2007-02-24 11:08:34 | Weblog
 前回の「現代仮名遣い」は前置き。「ぢらい」が「地雷」に変換しないので癪に障ったわけ。ひらがな入力がばれました。

「大地をしっかり踏みしめて歩く」ことができない。地雷が埋まっているからですね。条約により対人地雷は禁止されたが、未締結国はあるだろうからこの先、使わないとも限らない。完全除去もされていないから、カンボジアなどではいまだに百万発以上も埋没しているという。

 さらに悲惨なことに、禁止条約の地雷に替わってクラスター弾が登場した。一発のクラスター弾の中に自販機のコーヒー缶ほどの大きさの子爆弾が200個も詰まっていて、それが空中で飛散するという。クラスターとは房の意味ですものね。その半分は不発のままゴロゴロと転がる。爆弾と知らずに触れると、子爆弾一個から数百の金属片が飛び出すそうだ。レバノンだけでこれも百万発もあるとか。新聞によれば、使用したことのある国は16カ国。保有国は70カ国、この中に日本も含みますわ。
 
 オスロで、クラスター弾の禁止条約化の会議を開催されたが、成果は期待できないようだ。悪い冗談で言えば、不発らしい。消極的理由は「特定通常兵器使用禁止制限条約」締結国会議の枠外だからとか。平和時にオリーブの実を摘む子供まで殺傷するクラスター弾が通常兵器ですかねぇ。オリーブの枝をくわえたハトを見て、ノアは大洪水は終わったと知ったそうだけど、実はレバノンのオリーブ園は爆弾の大洪水といえる。
 こうして、地球は腐っていくのですよね。