世に、魅力的な主人公が活躍するシリーズ物がある。銭形平次は383編、鬼平こと長谷川平蔵の犯科帳は135編あるそうな。その一つひとつは面白いが、その数の多さに、この主人公は歳をとらないのかいなと白ける。
平次が平均十日で事件を解決したとしても優に十年の歳月を要す。歳をくって銭を投げても届かんのではないかね。まァ、平次に限らず、捕り物帳のシリーズはみんな歳をとりませんわ。
鬼平が出張るまでに密偵があちこち探索したり張り込みしたりする。要するに事件解決までに半月やひと月はかかるから、これまた相当の年月に亘る。鬼平の白刃の腕も鈍らないのかね。それに事件直後にまた事件が発生するわけでもあるまいし。
サザエさんなんぞはマスオさんと結婚し、タラオが生れ育っただけの時の経過だ。これが30年間も続いた四コマの日常だから、一年間が3,650日もあるようなものだな。
ところが外国の物は合理的だ。シャーロック・ホームズには履歴らしいものが窺がえて、1914年には60歳になっている。
ピーター・ダイヤモンド警視シリーズはまだ8作だが、以前の事件のエピソードを織り込んだり、転勤した女刑事が事件と無関係にひょいと顔を出したりと、時の流れをすくい取っている。
クリシィも老いてきたが、残念ながらこのシリーズの作者A.J.クイネルが先に亡くなった。
ダーク・ピットシリーズは17作あるが、さすがに超人的なピットも肉体的衰えを隠さない。いや、超人的だからこそその衰えは必定ですな。そこで、伏線として、すでにピット・ジュニアを登場させており、日本未発刊の18作目は、ジュニアの活躍舞台となる。 もっとも、この作者は用意周到で、ピットと同じ機関のカート・オースチンのシリーズを登場させた。沈着、冷静、冒険魂はピットそのままの焼き直し。ただ若さが必要なのだ。
こっちが老いたせいの僻み根性か、日本のシリーズの無頓着さを思うことでした。
平次が平均十日で事件を解決したとしても優に十年の歳月を要す。歳をくって銭を投げても届かんのではないかね。まァ、平次に限らず、捕り物帳のシリーズはみんな歳をとりませんわ。
鬼平が出張るまでに密偵があちこち探索したり張り込みしたりする。要するに事件解決までに半月やひと月はかかるから、これまた相当の年月に亘る。鬼平の白刃の腕も鈍らないのかね。それに事件直後にまた事件が発生するわけでもあるまいし。
サザエさんなんぞはマスオさんと結婚し、タラオが生れ育っただけの時の経過だ。これが30年間も続いた四コマの日常だから、一年間が3,650日もあるようなものだな。
ところが外国の物は合理的だ。シャーロック・ホームズには履歴らしいものが窺がえて、1914年には60歳になっている。
ピーター・ダイヤモンド警視シリーズはまだ8作だが、以前の事件のエピソードを織り込んだり、転勤した女刑事が事件と無関係にひょいと顔を出したりと、時の流れをすくい取っている。
クリシィも老いてきたが、残念ながらこのシリーズの作者A.J.クイネルが先に亡くなった。
ダーク・ピットシリーズは17作あるが、さすがに超人的なピットも肉体的衰えを隠さない。いや、超人的だからこそその衰えは必定ですな。そこで、伏線として、すでにピット・ジュニアを登場させており、日本未発刊の18作目は、ジュニアの活躍舞台となる。 もっとも、この作者は用意周到で、ピットと同じ機関のカート・オースチンのシリーズを登場させた。沈着、冷静、冒険魂はピットそのままの焼き直し。ただ若さが必要なのだ。
こっちが老いたせいの僻み根性か、日本のシリーズの無頓着さを思うことでした。