東北のさる県都に生まれ、東京で勤務生活を過ごし、この7月、縁あって九州の田舎町に転居してきた。この地を終の棲家と定めている。
夏、川の瀬音、満天の星、オニヤンマに忘れていた郷愁が沁みてきた。蚊取り線香も遠い記憶を呼び起こした。猫がヤモリ、トカゲ、モグラの子をくわえてきて仰天した。
秋、あぜ道に彼岸花が咲き競って目を楽しませた。山間の道脇の斜面に自生するアケビや豆柿に思わず快さいの声を上げた。またサンキライ、ヒヨドリジョウゴ、ノイバラの熟れた紅い実が目をなごませた。そして、都会と違ってゆるりとした紅葉の深まり方を味わった。
冬、思いもしない降雪が続き、生まれ故郷にタイムスリップした。
指呼の間に伏流水の湧水があり、これで淹れたコーヒーを飲みながら、朝霧の風景を眺めるのはまことに至福である。
私の今年の回顧は、政治や経済や国際の事柄のインパクトではない。乾いた都会から豊潤な自然へ回帰したことに尽きる。
さらに言えば、東北も九州も自然の移ろいは通低しているとしみじみ思う。
夏、川の瀬音、満天の星、オニヤンマに忘れていた郷愁が沁みてきた。蚊取り線香も遠い記憶を呼び起こした。猫がヤモリ、トカゲ、モグラの子をくわえてきて仰天した。
秋、あぜ道に彼岸花が咲き競って目を楽しませた。山間の道脇の斜面に自生するアケビや豆柿に思わず快さいの声を上げた。またサンキライ、ヒヨドリジョウゴ、ノイバラの熟れた紅い実が目をなごませた。そして、都会と違ってゆるりとした紅葉の深まり方を味わった。
冬、思いもしない降雪が続き、生まれ故郷にタイムスリップした。
指呼の間に伏流水の湧水があり、これで淹れたコーヒーを飲みながら、朝霧の風景を眺めるのはまことに至福である。
私の今年の回顧は、政治や経済や国際の事柄のインパクトではない。乾いた都会から豊潤な自然へ回帰したことに尽きる。
さらに言えば、東北も九州も自然の移ろいは通低しているとしみじみ思う。