本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

市民文化会館

2020-08-31 08:40:54 | Weblog
 コロナ禍で苦戦を強いられている業界は数多あるだろう。その一つに興行界がある。
 地方自治体はどこも立派な文化会館を保有している。住民への文化の啓蒙に必要だが、施設というハードがあっても、コンテンツというソフトがなければ、施設はドンガラになる。

 実際、自治体にはイベント・ノウハウも実行運営の能力もない。それもあって、民間にできることは民間にまかせるという例のフレーズから地方自治法が改正され、アウトソーシングすることができるようになったそうだ。要するに民間に丸投げになる。その丸投げ先を指定管理者という。

 確かに、イベントの企画力やサービス性の高い集客力は民間が勝る。もちろん、施設の運営管理も含む。
 ムリ、ムダ、ムラが役所仕事には多いので、民間委託は必然かもしれない。
 そのうえ、業務に従事する職員の人件費等を考えると、民間委託には給与、福利厚生費はもとより年金負担金や退職金もいらない。費用的にもメリットがあるのだ。

 このコロナ禍で3密は避けねばならない。それで、興行はすべてオジャンのようだ。指定管理者はお困りだろう。行政から文句は出ないはずだが、免責などの委託契約条項はどうなっているのだろうか。

バイアス

2020-08-30 08:46:25 | Weblog
 『ファクトフルネス』にこんな問題がある。
 Q1 世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?
 A 20% B 50% C 80%

 Q2 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?
 A 20% B 50% C 80%

 Q3 現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?
 A 20% B 40% C 60%

 上の問題の日本語版は日経BP社にあるようだが、パトリック・ハーラン(あのパックン)の『ハーバード流「聞く」技術』からの孫引きである。

 さて、答えはどうか。私は全問不正解だった。答えはすべてCですもの。
 パックンの本ではバイアスのせいという。確かにそうかもしれない。
 アフリカで予防接種をしていない国はないのか、アフリカで無灯火の国はないのか、アフリカで初等教育を満足に受けられない国はないのか。このアフリカづくしがバイアスかもしれない。

 とはいえ、答えは正しいのか。アフリカだけではなく世界中にマイノリティはいる。例えばロマ族とかクルド人とかアマゾンの先住民とかそのほか文明度から遠い原住民を集計すると初等教育や予防接種のパーセントは下がる気がする。
 いや、世界の人口70億超からみれば、やはり微小か。

献上豆腐

2020-08-29 08:54:34 | Weblog
 スーパーで売っている豆腐の値段はピンからキリまであるものだ。
 安価は40円程度の豆腐がある。価格帯で多いのは80円台から120円台のようだ。

 豆腐は豆乳を凝固剤で固めた食品だから、大豆と凝固剤のコストが価格を左右する。大豆を減らし、天然ニガリではない凝固剤を増やせば、低価格の豆腐ができるだろう。
 そんな安い豆腐を買う消費者も多い。これだけピンキリの価格の豆腐が一か所に陳列しているのだからヤバそうだと思わないだろうか。

 あるスーパーで「天皇陛下献上329円」という豆腐を置いていた。そのずぬけた値段にびっくりした。
 とにかく、平成天皇が賞味する豆腐の味とはどんなものか1丁買った。なるほどおいしい。でも。我が家は138円のいつもの豆腐でよい。

ピレネー山脈越え

2020-08-28 08:38:57 | Weblog
 ピレネー山脈は420㎞にも及ぶそうだ。フランスとスペインの国境に横たわって、天然の壁になる。正確にはスペインに近いピレネーの山中にアンドラ公国があるが。
 大昔、ジェノバでイタリアと別れ、モナコ、カンヌ、二―スで遊び、そこでフランスと別れ、マドリードに飛んだ。つまり、ピレネーはフライト越えだ。

 時が過ぎて、スペインのバルセロナから電車でピレネー山脈の端っこの海岸に沿ってフランスに入った。アルル、アビニョン、マルセイユで遊び、思い切ってナポレオンの生地コルシカ島に飛んだ。この折、「アルルき」疲れたとか、英雄生誕は「コルシカない」とダジャレをとばしたものだ。

 そこから寝台列車で一夜を過ごし、ピレネーの山の麓の駅(山の名も駅の名も忘れた)からバスでピレネー山脈を横断した。4月なのに吹雪で視界ゼロ。つづら折りの険隘の道を上る。生きた心地をしなかった。乗客は私ひとり。
 下りになって、アンドラについた。ほっと「安堵ら」した。そこからバスでバルセロナに戻った。このバスはすごく混んでいた。隣席の若い女性の言うことには、アンドラの免税店が目的らしい。

 飛行機、電車、バスでピレネー山脈を越えた話でした。

記憶のこと

2020-08-27 08:50:06 | Weblog
 作家の名は忘れたが、その作家の随筆で記憶について書いていた。
 記録を入れるツボには容量が決まっているので、あとから記憶を入れてもこぼれ落ちる。一方、底のほうにある記録は長期記録として忘れないのはそのためだ。
 そんな主旨だが、いかにも作家らしい修辞だ。

 実際には、昨日今日の記録でも長期記録に変われるという。ただ、よほど気張らないと変わる前に記憶の通関管理をしている海馬が停止するそうだ。

 ところで、記憶についてこんな名言がある。ラ・ロシュフコーというフランス人の箴言集にあるとか。
 「誰もが記憶力のなさを嘆くが、判断力のなさを嘆く者はいない」

 文春新書の『すごい言葉』から引用したのだが、本からこの言葉を見つける前にどこかで読んだ記憶がある。はて、そのどこかが思い出せない。
 なんと、その文春新書の帯の裏側に載っていたのだ。本屋の本棚から手に取って裏側を見て読んだのでしょう。読んだ記録があってもどこで読んだかを記憶していないというわけ。よくあることですかね。