初めての欧州旅行で行ったミラノの出来事。
大寺院ドゥオモの広場にいる鳩がもの欲しげに寄ってくる。と、一人の男が笑顔をふるまいながら近づいて、袋からひとつかみのトウモロコシを取り出した。男は私の手を取って腕を水平に伸ばし、手のひらにトウモロコシをおいた。
途端に数羽の鳩がバタバタ飛びながら手のひらのトウモロコシを啄ばむではないか。なるほど、そういうわけか。親切にも鳩のエサのトウモロコシを分けてくれたのだと思った。
男は私のそのサマを写真に撮った。東洋人の私を被写体として自分のカメラに収めたいのだと思い、精一杯ポーズをとった。まったく、意図をわかっていなかった。
「OK、君の住所を教えてくれ。オフィスはすぐそこだから一緒に来てくれ」英語の理解にたっぷり手間取ってから、しまったと気が付いた。
今さら頼んだ覚えがないと言っても承知するまい。何しろ、カメラの前で意識してポーズまでつくったのだから。続く。
大寺院ドゥオモの広場にいる鳩がもの欲しげに寄ってくる。と、一人の男が笑顔をふるまいながら近づいて、袋からひとつかみのトウモロコシを取り出した。男は私の手を取って腕を水平に伸ばし、手のひらにトウモロコシをおいた。
途端に数羽の鳩がバタバタ飛びながら手のひらのトウモロコシを啄ばむではないか。なるほど、そういうわけか。親切にも鳩のエサのトウモロコシを分けてくれたのだと思った。
男は私のそのサマを写真に撮った。東洋人の私を被写体として自分のカメラに収めたいのだと思い、精一杯ポーズをとった。まったく、意図をわかっていなかった。
「OK、君の住所を教えてくれ。オフィスはすぐそこだから一緒に来てくれ」英語の理解にたっぷり手間取ってから、しまったと気が付いた。
今さら頼んだ覚えがないと言っても承知するまい。何しろ、カメラの前で意識してポーズまでつくったのだから。続く。