本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

硫黄島そして原爆

2007-04-20 12:34:38 | Weblog
 手当たりしだい本を読むが、必ずしも時流とタイミングが合うわけではない。
『ダ・ヴィンチ・コード』は映画を観てから本を開いた。それから『天使と悪魔』に遡り、今はデビュー作の『パズル・パレス』に仕懸かり中だ。この小説ではなにやら変な名前の日本人(つまり、日本人の姓名に疎いのでしょう)が登場する。広島で被爆した母から生まれ、体に障害を持つ天才的なプログラマーという設定のようだ。この日本人、原爆を「すでに勝利を手にしていた大国による無意味な力の誇示」と思っていたとある。

 話変わって、「硫黄島の手紙」を観て『散るぞ悲しき』を読んだ。栗林中将は、本土爆撃を少しでも阻止するため、硫黄島を米軍の予想を超えて死守した。

 話はそれだけだが、『諸君!』5月号に興味深い話があった。「南方で戦った時の米日の死傷者比率は1対10、これが硫黄島になると1対5、沖縄では1対3、九州上陸となると、この比率はさらに厳しくなる」ことから「これ以上の犠牲者は出せない。それで最終的に原爆投下が承認された。1対3が分岐点だった」とある。
 この説に従えば、アメリカの戦略は「無意味な力の誇示」ではなく、硫黄島の「散るぞ悲しき」の抵抗、沖縄の激戦の結果といえる。もっとも、これ以上、米兵を死なせるわけにはいかないためという話は前からあったが。

 手当たりしだいの読書が、時に収斂するようだ。
 なお、同誌の話の続きでは、イスラエルとパレスチナの死傷者比率は、今や1対2.5になったそうだ。イスラエルは核を持っていますねぇ。

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2007-06-02 16:50:21
戦争を考えるために、小林よしのり著『戦争論』を読んでみてほしい。

ここが考えるスタートだと思う。
返信する

コメントを投稿