本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

「匁」

2010-07-31 10:08:40 | Weblog
 常用漢字は追加される予定だが、除外される漢字もある。「匁」がそうだ。

 中学時代、食料品を扱う母方の実家が近所だったので店の手伝いをした。当時は量り売りの時代だ。酒や焼酎は一合マスで量り、食料油は油カンから一合杓子で量った。
 そして、佃煮や煮干、タクアン漬などはハカリに載せて百匁、二百匁と量る匁が単位だった。そのうち百匁の目分量がだいたい見当がついたものだ。それがグラム単位になって、しばらく頭の切り替えができなかった。

 売上げ計算はソロバン、しかも商家らしく大盤の五つ玉だった。そのため、四つ玉のソロバンを使うとトチ狂った。今は昔の話。

棋力の劣化

2010-07-30 10:12:05 | Weblog
 将棋のゲーム・ソフトはだいぶ進化しているようだ。私が保有しているソフトは10年近く前のもので、「よちよち」、「ビギナー」、「初級」、「中級」、「上級」、「マスター」の6段階の設定だ。進化しているというのは、この「マスター」級が一流のプロ棋士並みになることだろう。

 10年前のソフトでもなかなか手ごわい。私はいつも「上級」の手合いで勝負しているけれど、最近はとんと勝てない。その実力がないのではと言われそうだが、若いころは町の将棋クラブでは四段で指していた。歳をとると気力とともに棋力が下降するのだ。どんなゲームもそうなるだろうが、将棋は特に顕著ではないか。

 周知のとおり、プロの名人戦のランクは、A級、B1、B2、C1、C2である。A級で活躍していた内藤国雄九段や加藤一二三九段は、今やC1クラスだ。どちらも70歳を超えているからランクが下落するのは当然だ。
 ただ、プロは中原や米長のように潔く引退したほうがよい。羽生がA級を陥落したときはどうするのだろう。こっちが先にくたばるから知る由もないが。

市民WG

2010-07-29 10:04:01 | Weblog
「第1回自治基本条例策定市民ワーキンググループ会議について」の案内が来た。長いタイトルだ。それはともかく、面白半分に応募したところ選ばれた。応募に必要事項は、住所、氏名、年齢、電話番号だけ。それをEメールで送った。応募の動機も経歴もなんにもなし。適格性の判断のしようがないではないか。
 邪推すれば、ほぼ成案ができていて、それを市民参加というフィルターを通すだけかもしれない。つまり、セレモニーではないか。まァ、出席してみればわかる。

 自治体の基本条例は、言わば自治体の憲法である。その基本的あり方はどこの市町村にも通低するだろう。かといって全国共通のひな型に沿った条例では画一的、無機質的だ。いかにその自治体の歴史、文化、風土を反映させるか、それが大事だろうと思う。
 ところが、私は他県出身でしかも東京暮らしが永いので、この地の風土に根ざした見識はない。それでも厚顔にも応募したのは、人脈(飲み仲間)を掘り当てたいと考えたからであります。

オイスター・バー

2010-07-27 14:31:26 | Weblog
 ニューヨークを舞台とする警察小説に、「グランド・セントラル駅の地下にあるオイスター・バーの食事がうまい」という記述がある。

 偶然、滞在中にそのバーに入ったことがある。昼時間で混んでいた。カウンターの前だけが空いていた。カキのチャウダーやシチュウもあったようだが、カウンターの客は生ガキを喰っていた。そんなもので昼めしに足りたのだろうか。あるいはパンを添えてあったかもしれない。私自身は生ガキしか食べていない。

 カキの産地が掲示されていた。産地はたくさんあったように思う。なかにKUMAMOTOがあった。ハテ、熊本のカキは有名だったかと首をひねった。ニューヨークっ子には松島や広島より有名なのかもしれない。
 それだけの他愛のない話でした。

バックの問屋

2010-07-26 14:33:50 | Weblog
 国産ハンドバッグ問屋の知人に話を聞いたことがある。ネコも杓子もブランドを求めた頃より大分前のことである。
 営業マンは大量にバックを車に積んで得意先の小売店や雑貨ストアを廻る。何十点か展示すると、店主か担当者がいくつか選択する。それに値札を付けて、しかるべき場所に陳列するという。その時、ライバル問屋の商品を後ろに下げて、目立つ場所に並べるそうだ。もっとも、それはどこの問屋も同じで、その度に商品の陳列は入れ替わっているらしい。

 値札の裏には、フクとかクフとかクモといった記号がある。小売価格の値決めの暗号みたいなものという。
「シアワセウルフクロモノ」に1、2、3、4、5、6、7、8、9,0の数字を当てはめている。なるほど、バックは袋物である。それでフクは7,800円、クフは8,700円、クモは8,000円となる。万円台は、たとえばシウモで15,000円となるのだろう。
 ただ「ノ」は数字からはじき出されている。これはダブルの意味だったかもしれない。すなわち、フノは7,700円、クノは8,800円となるか。フフやククではバレやすい。
 
  営業マンはこれに基づいて値札の表に小売価格の数字を印字する。卸価格は、これら小売価格の6.5か7.0の割合である。力関係で割引率が違うのだろう。しかも、売れ残りは引き取らなければならない。
 商売とは大変なものだ。