九州から夜通し車を駆けて戻った。轟々と疾走する輸送トラックに囲まれて、余計に草臥れました。この夥しい物流の塊はロジスティクスとは無縁に深夜を爆走している感じですわ。
話を戻すと、高速道路のIC、SA、PAの名称、つまり地名が常識的に読めないものがある。富海(とのみ)、下松(くだまつ)なんぞがそうですな。この地名表示版の漢字の下に英字標記があるから読み方を知るわけで、英文字が振り仮名の役目をしているようなものですわ。英文字から日本語読みを知るなんて妙な気がしますな。
ついでに、似て非なる話に移すと、和語を漢字に当てたものがありますよね。抽斗、吃驚、流石、所謂、木偶等々今でも結構通用している。これは、こう読むものと決め付けたもので典拠はなさそうに思う。実際は知りませんけど。ただ、悪戯(いたずら)は漢語の意味合いがありそう。
ところで、言文一致に腐心した明治の小説には、「悪戯」と同様、漢語の意味に適った和語の当て読みがたくさんありますな。
試みに、二葉亭四迷の『浮雲』から拾うと、華美(はで)、野暮(じみ)、莞爾(にっこり)、恍惚(うっとり)、放心(なげやり)、齟齬(くいちがい)、悄然(しょんぼり)、無言(だんまり)、虚言(そらごと)、余熱(ほとぼり)、挙動(そぶり)、所在(ありか)、邂逅(たまさか)、面相(かおつき)なんぞとありますが、これでもほんの一部です。
他に送り仮名をひょいと付けて、凝視め(みつめ)、待遇す(もてなす)、徘徊いて(まごついて)、故意と(わざと)、感染て(かぶれて)、沈着て(おちついて)、怠る(ずるける)、周旋て(とりもって)、卓絶て(すぐれて)、冷笑い(あざわらい)などがある。これぞ華美に恍惚として感染てしまいそうな文章ですわ。
高島敏男氏の和語はひらがなで書けという説に原則賛成ですが、漢字に添ってその漢字の意味がわかるというのも捨てがたい。
国語力の増強のためにも、若い人たちに近代小説を読んでほしいと思いますわ。
話を戻すと、高速道路のIC、SA、PAの名称、つまり地名が常識的に読めないものがある。富海(とのみ)、下松(くだまつ)なんぞがそうですな。この地名表示版の漢字の下に英字標記があるから読み方を知るわけで、英文字が振り仮名の役目をしているようなものですわ。英文字から日本語読みを知るなんて妙な気がしますな。
ついでに、似て非なる話に移すと、和語を漢字に当てたものがありますよね。抽斗、吃驚、流石、所謂、木偶等々今でも結構通用している。これは、こう読むものと決め付けたもので典拠はなさそうに思う。実際は知りませんけど。ただ、悪戯(いたずら)は漢語の意味合いがありそう。
ところで、言文一致に腐心した明治の小説には、「悪戯」と同様、漢語の意味に適った和語の当て読みがたくさんありますな。
試みに、二葉亭四迷の『浮雲』から拾うと、華美(はで)、野暮(じみ)、莞爾(にっこり)、恍惚(うっとり)、放心(なげやり)、齟齬(くいちがい)、悄然(しょんぼり)、無言(だんまり)、虚言(そらごと)、余熱(ほとぼり)、挙動(そぶり)、所在(ありか)、邂逅(たまさか)、面相(かおつき)なんぞとありますが、これでもほんの一部です。
他に送り仮名をひょいと付けて、凝視め(みつめ)、待遇す(もてなす)、徘徊いて(まごついて)、故意と(わざと)、感染て(かぶれて)、沈着て(おちついて)、怠る(ずるける)、周旋て(とりもって)、卓絶て(すぐれて)、冷笑い(あざわらい)などがある。これぞ華美に恍惚として感染てしまいそうな文章ですわ。
高島敏男氏の和語はひらがなで書けという説に原則賛成ですが、漢字に添ってその漢字の意味がわかるというのも捨てがたい。
国語力の増強のためにも、若い人たちに近代小説を読んでほしいと思いますわ。