本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

大晦日のキス

2015-12-31 09:44:43 | Weblog
 大晦日の晩、年越ソバはむろんだが、日頃晩酌しないのだが一杯飲むことにした。
 
 ところで、東京の場末に「キス・酒場」なる看板があったとか。このキスとは清酒の隠語という。ものの本に「生粋」が詰まってキスになったのではないかとある。
 
 酒であることは確かで、網走番外地の歌詞一番に「酒(きす)ひけ 酒ひけ 酒暮れて」の節がある。「きすひけ」とは酒を飲むことの意のこととか。
 
 さて、その「キス」だが、「生粋」は腑に落ちないのでネットで調べると「好き」の逆語で酒を好まないものはないということらしい。こっちのほうが納得だ。
 キスと似たような隠語に刑事をいうデカがある。これは明治の初めごろに刑事が着ていた角袖(カクソデ)を反対から読み、真ん中の2字を省いたものだ。これも逆語の一種だろう。
 
 キスひけながら除夜の鐘でこの年をおしまいにしよう。

可処分時間

2015-12-30 09:24:02 | Weblog
 今年も今日を含めて可処分時間は2日になった。
 可処分時間とは自由に使える時間をいう。自由に使える手取り収入を可処分所得ということにならったわけ。無所属時間ともいうようだ。

 勤めなどにより拘束される時間がある場合、年間の可処分時間は当然低いことになるが、この時期の可処分時間も帰省や家族サービスに費やされては、真の自由に使える時間とは言いがたい。

 世の中には、可処分時間を「人生の楽園」に登場するような働き方に充てる人もいる。人それぞれだが、私なんぞは可処分時間大好きである。
 おかげで図書館から借りる本、ツタヤから借りるビデオ映画を満喫できる。これを言いたいために長い前置きにしてしまった。

慰安婦問題

2015-12-29 10:04:51 | Weblog
 新聞に「慰安婦解決 日韓合意」の見出しがでかでかと踊る。42ポイントの最大級の活字だ。

 慰安婦はどこの国でも戦地や戦後の占領地にいたはずだ。問題視されるのは、日本軍(国家)が他民族の女性を慰安婦にするため強制連行をしたかということだろう。しかし、そんな証拠は見つかっていないようだ。

 今回の合意は日本にとって何の成果にもならない。韓国は仮に氷点に立っているとすれば、合意により20度も上昇しただろう。ホクホクに違いない。

 一方、日本はもともと氷点下20度ぐらいに立たされていた。この立ち位置は慰安婦だったという女性の裏づけがない証言とその証言を鵜呑みにした政府の対応のまずさによるが、なによりも朝日新聞の罪が大きい。もし、成果というならせいぜいマイナスが10度になった程度だ。

 慰安婦施設に軍が関与したことが強制連行にすり替わったのではないか。施設の管理は兵士の性病予防のためにやむを得なかった。また、一般女性のレイプを避ける必要もあったはずだ。
 レイプといえば韓国兵の多くがベトナムでレイプしていることは事実だ。韓国はこの犯罪行為を軍は関与していないとシラを切るのだろうか。

 これから台湾やらフィリッピンやら各国の同問題に波及するのではないか。韓国のゴネ得にしないためにもきちんと対応せざるを得なくなった。

作家のテレビ出演

2015-12-28 09:14:38 | Weblog
 城山三郎は文学界新人賞をもらったころ、ベテラン編集者にこう言われたそうだ。
 「自分の世界ができるまではテレビにはなるべく出ないことです。雑文なども書かないことです」
 その忠告はありがたかったと述べている。

 芥川賞をとった又吉直樹はずいぶんテレビに出ているようだ。お笑い芸人の顔も持っているので、それでテレビに出演するならばわかるが、作家としてテレビに頻繁に出るのはどうだろう。
 クオリティの高い作品づくりに息切れしないか。

 そういえば直木賞作家の志茂田景樹はテレビによく出るマルチ人間だったようだが、このところテレビも作品もとんと見聞きしない。もともと観も読みもしなかったけれど。

虎の門事件

2015-12-27 09:46:53 | Weblog
 「今日は何の日」によると、大正12年の今日12月27日に虎の門事件がある。皇太子(のちの昭和天皇)が狙撃された事件である。皇太子はもちろん誰も死傷していない。それでも狙撃犯は死刑になった。
 
 ロシア皇太子(のちのニコライ2世)に斬りつけた明治24年の大津事件では、皇太子を負傷させた暴漢は死刑にならない。
 これが虎の門事件の判例にならなかったものか。皇太子に格の違いがあったわけだ。
 
 この虎の門事件で、内閣は総辞職、犯人が卒業した小学校の校長と担任は辞職、出身県の知事は減俸、上京途中に立ち寄った先の知事も譴責処分というからなんと大げさなことだったか。むろん、犯人の父も兄も責任を取った。
 さらに直接的な警護責任から警視総監と警視庁警務部長が懲戒免官になっている。

 実は注視したいのは警務部長正力松太郎である。当時、経営不振で早晩つぶれてもおかしくない状態だった読売新聞に乞われて白羽の矢が立った。
 その正力により読売は息を吹き返し、さらに全国紙に押し上げ、今日の隆盛の基礎を作ったのだ。

 歴史上の事件が思わぬ波及をする例である。