本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

モラル

2011-03-31 16:29:53 | Weblog
 リンカーン大統領が暗殺されたとき、ホワイトハウスのスタッフの半分が貴重品をくすねた、と書いていた本があった。

 話を転ずると、この震災の混乱に乗じて金品を盗んでいる者がいるようだ。災害がかっぱらいの機会と考えているとはあくどい。人の不幸を食いものにするとは嘆かわしい。

 新聞によれば、寄付箱を盗まれたストアがある。被害者も特定できないし、集めた浄財の額もわからないだろうから、警察は本腰を入れないかもしれない。しかし、こうしたヤカラはなんとしても捕まえてほしいものだ。
 
 暴動のたびに商店が荒らされる海外では、日本のモラルの高さを賞賛していたはずだが、この日本は一体どうなってしまったのか。

2011-03-30 13:18:13 | Weblog
 ちょいと前になるが、ロシアのプーチン首相は、欧米のリビア空爆を十字軍遠征になぞって批判しましたね。この十字軍で思い出した艶笑譚があった。うろ覚えだが、こんな話だ。

 この当時、貞操帯がはやったらしい。ある騎士が十字軍に参加することになった。そこで、奥さんに貞操帯をはかせ、その鍵を親友に預けた。
 しばらく経って、親友が早馬で駆けつけてきて言った。「おーい、鍵が合わないぞ」

 独裁者、民主化、石油利権、人道主義みんなキーマンの思惑によって鍵が違うのでしょうね。

震災復興財源

2011-03-29 11:36:15 | Weblog
 大震災の復興には多大な財政出動が必要だ。

 政府はマニフェストの政策を考え直すようだ。そもそもバラマキ的施策であったから復興財源に充てて当然だろう。法人税の引き下げも先延ばしになりそうだ。議員歳費も削減される。

 ついでに、全体の奉仕者である国家公務員の給与も減額すればよい。もともと給与抑制は公務員改革のひとつだったはずだ。給与法の改正は技術的に手間取りそうに思うので、暫定的に一律10%削減の特別措置法を実施すればよいだろう。総人件費5兆円のうち本俸額はよくわからないが、雑駁に4千億円ぐらい削減になるのではないか。

 財源を求めて無利子国債の発行や消費税アップの案などが取り沙汰されたが、実現可能性の高いところから震災財源の確保を考えてほしいということだ。

 そこで、競馬、競輪、オートレース、競艇の売上げ控除率を当面震災財源として5%アップしてはどうかと思う。
 中央競馬会(JRA)を例にとると、現在馬券から25%控除され、その10%は国庫に、15%はJRAに留保されている。売上げが3兆円もあるのだから、現行でもJRAはたっぷり剰余金があるはずだ。

 さて、新たに5%のアップ分にJRAの現行の取り分から5%を上納させれば、国庫収入は約3千億円の純増となり、震災の財源手当てができる。競輪等からも5%上納させる。
 文句のある人はこの機会にやめればよいのだ。バクチ狂いから足を洗えば、それはそれでよい。


ある漢詩

2011-03-28 14:34:33 | Weblog
 立原正秋の自伝的小説に「昨日開花今日空枝 人生変滅亦復如是」の漢詩が出てくる。松雲大師、惟政禅師の作とあった。
 
 この僧侶は文禄・慶長の役(韓国では「壬辰・丁酉倭乱」)で義僧兵を総指揮官として日本軍と戦ったそうだ。また、家康や秀忠と会見し、国交回復に功績を果たしている。
 
 李朝時代の歴史上の著名な人物となるのだが、不思議なことに韓国でもあまり知られていないらしい。李舜臣将軍だけが英雄視されているきらいがある。両班本位で創られた歴史とはそんなものだろう。

 ところで、この漢詩の正確な意味は知らないが、「禍転じて福となす」や「禍福はあざなえる縄の如し」あるいは「塞翁が馬」とはちょっとニュアンスが違うような気がする。
 昨日咲いていた花が今日は散っているように、人生も滅びに変わる、とネガティブに読むのは大震災の思いが強いせいか。


したたかな外交

2011-03-27 10:43:48 | Weblog
 何日か前の新聞に「武力の乱用で大きな人道上の災難に引き起こすことに反対する。」と新聞に載っていた。多国籍軍のリビア空爆に対する非難のコメントである。読んだ方もおいでだろう。

 アラブ連盟の非難ならば、まァ、わかる。ところが、このコメントは中国外務省だ。
天安門事件、チベット人弾圧、ノーベル平和賞受賞者の拘束はなんなんでしょうねぇ。ブラック・ユーモアというほかありませんわ。

 もっとも、小粒ともいえる副報道局長の声明ですから、ちょいと空爆批判で欧米の反応を見つつ、アラブのアブラもほしいという思惑ですかね。欧米の風当たりは避けたいので、首脳部は関知せずと知らん振りでしょう。国民の非難デモもない。
 尖閣諸島の体当り漁船の船長逮捕と対応がまるで違う。厚顔の外交の哲学だけは変わりないところがすごい。