本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

ある古い本

2015-06-30 09:16:16 | Weblog
 一昔以上前、富岡八幡宮の境内の骨董市で「書翰文講話及文範」という本を買った。手紙の書き方の本である。千円だった。元値は1円60銭。
 奥付によると大正7年20版とある。初版が5年とあるからわずか2年でずいぶん版を重ねたものだ。
 面白いのは郵送料について内地8銭、臺樺鮮支12銭とある。臺樺鮮支とは当時外地であった台湾、樺太、朝鮮、支那(満州のことか)のことだ。

 前にも触れたことがあるこの本を持ち出したのは、これを中野重治がほめていたと山本夏彦のエッセーに書いていたからだ。そして「私はこの本を見たいとさがしているがいまだにめぐり会えないでいる」と結んでいる。

 20年以上前のエッセー本の情報であり、山本夏彦も鬼籍に入った。今さら贈呈しようもない。

ゴルフは精神の格闘技

2015-06-29 09:05:13 | Weblog
 米男子ゴルフに出場している石川遼クンは、3戦連続して予選落ちだった。
 アメリカツアーをターゲットにしているのだから内弁慶ではないはずだ。むろん、技術力がどうのこうのではないだろう。
 難点はナーバスにあるのではないか。なにしろゴルフは精神の格闘技の要素が高い。

 その精神力で思うのは韓国勢の強さである。男女ともに日本ツアーを席巻している。
 昨日はイ・ボミがプレーオフを制して、今季の獲得賞金は最速で1億円を超えた。プレーオフの相手も韓国人選手である。

 今や韓国はハングリーではない。アウェイで勝ちまくるのは根性の強さに違いない。その上に日本人をやっつけようというハンの心理もあるかもしれない。

社長は避雷針

2015-06-28 09:24:02 | Weblog
 新聞報道によると、株式総会では役員の選任案の賛成比率が低下しているとある。最近の機関投資家は厳しくなっているようだ。
 赤字会社の社長はもとより破格の役員報酬を受け取る外国人社長も賛成比率のポイントを下げている。
 
 さて、その社長だが、昔は「社長帽子説」というのがあったらしい。今でも同族会社の二代目、三代目などの世襲社長に飾り帽子のような人がいるかもしれない。
 
 一方、サラリーマン社長には「避雷針説」というのがあるとか。世間の雷が落ちたときに建物(組織)に被害がないようにそこに落雷を呼び込む(引責辞任)わけだ。

 赤字の関電や九電の社長にも雷がゴロゴロ鳴っているがどう対応するか。東洋ゴム、シャープ、東芝にも雷は避けられそうもない。
 そうそう株式会社ではないが日本年金機構のトップはもとより組織自体も感電死するのではないかな。

時間的速度の用語

2015-06-27 10:13:20 | Weblog
 法令上、時間的速度を表す用語に「直ちに」と「遅滞なく」と「すみやかに」がある。
 「直ちに」は最も速く、最優先で取り組まなければならない。「遅滞なく」は速く取り組むことに変わりないが、正当性や合理的理由があれば、その速さは緩和される。「すみやかに」は速くすることに違いないが、訓示的意味合いにすぎない。
 
 したがって、大事なことは「直ちに」と「遅滞なく」の用法である。
 消防法の例を挙げる。
 第22条「…気象の状況が火災の予防上危険であると認めるときは、その状況を直ちにその地区を管轄する都道府県知事に通報しなければならない」
 四の五の言わず通報させるため「直ちに」としている。
 
 第24条「…火災を発見した者は、遅滞なくこれを消防署…に通知しなければならない」
 火災発見者は火災通知を第一優先するべきと思うのだが、「遅滞なく」と規定している。
 おそらく通知よりも消火活動や人命救助が最優先であるということではないか。

名詞+する

2015-06-26 09:16:09 | Weblog
 名詞にサ行変格活用の「する」をつけて「恋愛する」、「公表する」、「運転する」などという。これを複合動詞という。また、この名詞はなんでもよいわけではない。動作名詞といわれるものだけに限定される。
 
 動作名詞かどうかの判定は、「~を行う」を付けて意味が通るかどうかである。あるいは別の判定として「中」を付けて正しいかどうかだ。
 「食事を行う、食事中」、「会議を行う、会議中」、「営業を行う、営業中」これらは意味が通じるので動作名詞である。
 
 一方「お茶を行う」や「主婦を行う」は正しくない。まして「お茶中」や「主婦中」は変な日本語になる。つまり「お茶する」、「主婦する」は誤用となるわけだ。
 
 わからないのは誤解。「誤解する」は意味が通じる。しかし「誤解を行う」や「誤解中」の表現はない。しかもサ変活用の命令形の「誤解せよ」は変だ。となれば「誤解」は動作名詞ではなく、「誤解する」は複合動詞でもない。「誤解をする」を縮めても意味が通っただけかもしれない。