一昔以上前、富岡八幡宮の境内の骨董市で「書翰文講話及文範」という本を買った。手紙の書き方の本である。千円だった。元値は1円60銭。
奥付によると大正7年20版とある。初版が5年とあるからわずか2年でずいぶん版を重ねたものだ。
面白いのは郵送料について内地8銭、臺樺鮮支12銭とある。臺樺鮮支とは当時外地であった台湾、樺太、朝鮮、支那(満州のことか)のことだ。
前にも触れたことがあるこの本を持ち出したのは、これを中野重治がほめていたと山本夏彦のエッセーに書いていたからだ。そして「私はこの本を見たいとさがしているがいまだにめぐり会えないでいる」と結んでいる。
20年以上前のエッセー本の情報であり、山本夏彦も鬼籍に入った。今さら贈呈しようもない。
奥付によると大正7年20版とある。初版が5年とあるからわずか2年でずいぶん版を重ねたものだ。
面白いのは郵送料について内地8銭、臺樺鮮支12銭とある。臺樺鮮支とは当時外地であった台湾、樺太、朝鮮、支那(満州のことか)のことだ。
前にも触れたことがあるこの本を持ち出したのは、これを中野重治がほめていたと山本夏彦のエッセーに書いていたからだ。そして「私はこの本を見たいとさがしているがいまだにめぐり会えないでいる」と結んでいる。
20年以上前のエッセー本の情報であり、山本夏彦も鬼籍に入った。今さら贈呈しようもない。