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in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

義肢装具士/ Prosthetist and Orthotist (P.O.)

2007年07月06日 | Weblog
先々週末に同僚の家であった夕食会で出会ったオーストラリア人Lさんに、ご近所さんだからということで彼女の夕食会に誘ってもらう。初対面のときから話しやすいなあと思っていたら、職業は義肢装具士だった。

義肢装具士とは、事故や病気などで手足を失くした人のために、その本人にあう義手や義足をつくる人のことで、うろ覚えだが、1)機能を補充するための工学的な能力、2)当事者の体にフィットするための造形的なセンス、そして3)当事者の希望や将来的な需要を話し合う意思疎通を能力、これらが必要とされるすごい仕事だと理解している(関係者の方々、間違っていたら突っ込んでください)。以前の職場にこの職業の人が居られ、作業内容を知ることができた。

話を元に戻して、Lさんの話。会話をしていて、においというか、そういう優しさが伝わってくる。たしか高校生のときに「人の考え方は仕事で扱っている物(あるいは人)によって大きく影響を受ける」と、一回りほど上の尊敬する先輩(人事部)から聞いたことがあって、そのときはそんなものかなと思っていたけれど、年を重ねるごとに「実に的を射ている」と体感する。

こういう風に書いていくと、おっgitanに新たな出会いか?!と思われる方がいるかもしれないが、ご心配なく。素敵な人にはすでに別の素敵な人がいるのが世の常で、Lさんの場合もパートナーと同居している。それでも、彼らと話をして素敵な時間を過ごすというのも悪くはない。

「オーストラリアでの職場は、手を失った人を1年に5人ほど診る程度だったが、スリランカに来て、手を失った人を1日に5人診る日がある」という彼女の言葉は内戦の現状を物語っていると思う。前者は糖尿病などの疾患が原因だが、後者は明らかに地雷や戦闘による被害が原因なのだ。Lさん達は、スリランカには少ない機能性のある(物をつかんだりできる)義手を広めようと活動している。手に入る材料が限られ、簡単にはいかないようだ。

自分も含めて、内戦が終わらないから、今の仕事があるわけだが、自分たちのような職種があまり必要とされなくなるような社会が形成されたらいいね、とお互いに話していた。