goo blog サービス終了のお知らせ 

in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

ハリケーン・サンディ(2)

2012年11月06日 | Haiti
ハイチには上陸しなかったハリケーン・サンディだが、長く降り続いた雨は地方(特に西部)で洪水を起こし、ハイチ国内の被害家屋は何万軒にも上るという。

統計の取り方や、家屋の定義(家といっても掘立小屋のようなものも数に入っているらしいので)に問題があり、正確な数は把握し切れていないが、「状況は予想以上にひどかった」ということらしい。

確かに被害が一番ひどい地域からの情報は後から入ってくるのが災害の常だが、国内の祝日が続いていたので、被害状況調査が後回しになった感は否めない。来週から国連が世界各国にハイチ洪水被害への支援を訴えることになった。

空港ターミナル

2012年11月05日 | Haiti
ハイチに戻ってきた。震災の被害を受けた空港ターミナルは、まだ修理中(写真)。

飛行場旅客ターミナル
2010年1月の震災で半壊していたポルトー・プランス飛行場の旅客ターミナルの復旧工事が遅れているとニュースでやっていた。1年10ヶ月後にしてこの状態。来年1月の2周年にはとうてい間...

台風一過

2012年10月28日 | Haiti
昨日から晴天が広がり、ずっと雨だった天気が嘘のよう。毎日暑い時は、暑い暑いと文句を言っていたのに、雨が降り続いたり涼しいが続くと、晴れるとほっとする。

例のハリケーン・サンディは北上し、アメリカ東海岸に接近中。ニュー・ヨーク市交通局に勤める友人によると、今日の午後7時から地下鉄やバスなど管轄内の公共交通網を一斉に運休するらしい。かなりの被害が出そうだ。

ハリケーン・サンディ

2012年10月25日 | Haiti
熱帯暴風雨からハリケーンと勢力を強めていったサンディは、23日火曜の午後からPort au Princeに強い風や雨をもたらし続けている。ジャマイカからキューバ、そして米国へと進路を辿り、ハイチにはかすりもしなかったのだが、これだけ雨が続いていると、地盤が緩まり大きな被害が出ることは必須。例のごとく、道路が川となり、全てのものを上流から流し続けている(写真)。

気温も20度を超えず、セーターを着ているハイチ人も見かける。確かに寒い。

笑えない事実

2012年10月12日 | Haiti
Permanent Houseが完成して、被災者家族に譲渡した際に、あまりにも被災家族の世帯主のお母さんが嬉しそうでないので(写真)、なぜかとうちのスタッフに後日聞いてみた。彼らによると、

1.今まで政府や誰からにも、住まいに関して支援を受けたことがなかった。
2.想像していた以上に、素敵な家で驚いた。
3.うまい話に騙されているのではないかと、さらに疑い始めた。
4.うちの弁護士が来て自分に『権利』があることを教えてもらったが、使われた言葉が難解だった。
5.起こっていることが本当に現実なのか、理解に苦しんだ。
6.うちの機関の職員が大勢でつめかけたので緊張した。

これらを聞いて、いろいろ考えさせられた。Shelterの時はもっと嬉しさを表現する家族が多かったのだが、Houseとなれば事はもっと複雑になっていくのだろうなと多くを学んだ。また、こちらの気合度もかなり高かったので(失敗が許されないので)、事務・法的手続き時に被災家族へ必要以上にプレッシャーを与えていたのだろう。

数週間後に彼らの様子を見に行ってみよう。

Permanent House (4)

2012年10月11日 | Haiti
やっと竣工した。

いろいろできなかったことはあるけど、一応形になったのでよしとする。これから、非技術系の同僚や上司の意見を仰ぐ。

先月から、次のモデルについてスタッフ達と検討を始めた。例えば、今回は屋外に設置しているトイレ(予算の都合で既存トイレを改修)を家の中に設置したいのでけれど、そのためには水洗トイレを検討すべきで、

・水道がないのに、水をどう確保するか
・水があっても電気がない場合、2階のトイレにどうやって水を上げるか

といった事項が懸念され、被災者にトイレのために水汲みを強要できるか、という議論に行き着く。ハイチ人スタッフの意見を尊重したいところだが、同じハイチ人でも育った環境に大きな差があるので、彼らの意見の正当性を見極めるのが難しいところ。

いくつかのデザイン・バリエーションを準備しつつ、実際に住む被災者が確定された時点で、デザインを一緒に決めていく方向で進めることにする。

ハイチのマザー・テレサ(2)

2012年10月05日 | Haiti
レオガンのシスターSさんを再訪した。前回、修繕中だったハンセン氏病棟が完成していて、気持ちいい空間となっていた。写真は、平屋だけど高さを設けた中央渡り廊下で、通気や自然採光のことがよく考えてある。前回は足場やシートがかぶせてあったりして気がつかなかったけれど。1980年代のハイチ人建築家設計とのこと。

そして、彼女が支援しているNGOが建設予定の農業学校敷地を訪れる。震災後100を超える世帯が避難していた土地は、26世帯まで減っている。他の場所に別のNGOから仮設住宅を支給された家族もいるが、最後まで居座り続けてお金をせびろうと考えているらしい。土地の権利を農業大臣から正式に頂いたのであれば、法的処置に訴えた方がよいと提案させて頂く。NGO代表の話では、まず敷地内を囲う塀を完成させて、徐々にプレッシャーをかけていくらしい。それも一つの方法だが、それでは着工が来年以降になってしまうだろう。うちの現場事務所スタッフに、定期的に状況を見て、居残り世帯を移動させるにあたって、うちができることで支援させて頂く。

30度を超える暑さ(毎日のことだが)にもかかわらず、現地を案内して下さったエネルギーには本当に頭が下がる。その素晴らしいオーラに触れて元気になって病院を後にした。


『ハイチでの仕事はただ忍耐の一語』
前々からお誘いを受けていたレオガンにある国立結核療養所に、シスターSさんを同僚友人らと訪ねていった。軽い気持ちで遊びに行ったつもりだったが、修繕中のハンセン氏病棟、仮設の結核病棟、...


2年ぶり

2012年09月21日 | Haiti
2010年7月にハイチに出張で来ていたモロッコ人Sと2年ぶりに会う。今回は短期出張で来ていたので、忙しい合間をぬって夕食を共にする。

当時は、所属機関は違うけれど、通勤UNバスが一緒だったので、何回顔をあわせるたびに知り合いになった。仕事上の付き合いがないので、何でも話やすい。

2年ぶりのハイチの感想を聞いてみると、
1.ハイチ人スタッフの士気があがった。(2年前は仕事どころではない雰囲気が漂っていたらしい)。
2.街の復興が全く進んでいないのが、とても残念。
3.自分(gitan)のフランス語が全く上達していないのが、さらに残念。

と、オチまで頂いた。明日からNY本部で勤務した後、モロッコの事務所に戻るらしい。いい刺激をもらった。

マイナスの伝染

2012年09月20日 | Haiti
予算が残り厳しくなり、ますますスタッフの雇用契約を延長できなくなった。毎月スタッフの数がどんどん減っていくのだけど、仕事の量はそんなに減らないので、残ったスタッフの負担が増す。契約更新されなかったスタッフは収入がなくなるので、契約延長されたスタッフは仕事があるだけでも有難いはずなんやけど、仕事量が増すことは素直に喜べない、その気持ちも十分分かる。

結果として、事務所内も変にピリピリしだす。自分も我慢できなくなって、ちょっとしたきっかけで怒るのだが、後で怒られたスタッフが他のジュニア・スタッフに怒っているのを見て、あー、ちょっと雰囲気を変えていかなあかんなと一瞬思う。しかし、現地通貨グードと米ドルを何度も間違えたまま見積を持ってくる奴には(値段に42倍の違いが出る)、鉄拳を食らわせたろかとも思ってしまう。

こうした状況は悪循環に陥った零細企業のようで、どうにか大口顧客がつかないものか日々考えあぐねている。