朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

西陣の町家で書道経験

2014-09-11 | 京都の文化(秋)
外国からの客人は一昨日無事に帰国されました。
彼は第2外国語としてモスクワの大学で日本語を学習したことがあり(1960年代終わり頃)、特に漢字に興味を持っています。そこで、日本訪問の際には「書道」をぜひ体験したいとの希望が届けられていました。



そこで、京都に詳しい同僚に聞いて予約しておいた西陣の町家での習字体験に行ってきました。



こんな京都市の高札が立っています。曰く”呉服商「冨田屋(とんだや)」”、江戸時代に伏見にあった両替商が、この地、西陣に移転して呉服問屋を明治時代に始めたとあります。



中庭の造作は当時のままだそうです。井戸が三つもあって、うち一つは今でもこんこんときれいな水の湧く深い井戸だそうです。

「でっちさん」が30人くらい住み込みしていて、昼間は商品の展示場所である畳の部屋を片付けて寝る場所とする、それと表の建物の二階に寝起きしていたとのことです。

ここの当主は仏教信者でしたが(立派な仏壇がありました)、同時に神社にも信心が深く建物の中kにいくつも神棚が飾ってあります。伏見稲荷の神さまを信仰していて、お稲荷さんを参詣した時に火事が発生し、急いで飛び込んでご神体を救ったことで宮司からの感謝状もあります。



奥には特別の客間があります。
当主は、能文化を特に後援していたので奥座敷にミニ能舞台を作りました。背景は庭に植えた松。これは能舞台背景では絵に書いた老松ですが。案内の女性が立っている場所の下は、板敷きになっていて床下には大きな瓶が埋め込んであるので、足を強く踏むとトンと音が大きく響きました。

この部屋の隣には、茶室があり「にじり戸」がしつらえています。



床の間の前で、友人と案内の和服女性との記念写真です。彼は中央アジアのカザフスタン国の出身です)

当主が叙勲を受けた時、京都御所での記念パノラマ写真がありました。何百人かを写した白黒写真ですが、横幅1メートル近いで一人ひとりの顔が識別できる高解像度でした。当時の写真技術に驚きました。

さて、これは店主が掲示した「訓示」です。



・誠実は信用の基
・努力は発展の基
・反省は向上の基
・健康は幸福の基
・質素は安定の基
・朝は希望に起き
・昼は愉快に働き
・夜は感謝に眠る

すべて、現代でも通用しますね。(現代の漢字に変改してます)

さて、習字のレッスンです。



まずは、硯、墨、筆、半紙の説明と使い方を習います。書く漢字を選びます。彼は、かなりバランスが難しい字を選びました。持ちろん意味を理解していました。

次に、先生にお手本を書いてもらいました。



数回、お手本を見て半紙に練習しました。


 (引用:FaceBook Tondaya Nishijin 2014-09-06)

何やかやと、質問したり、墨をすったり色々と楽しんで、最後は仕上げとして色紙に筆をおろします。

で、・・完成です。



出来栄えは、良いのではないでしょうか。

駒井先生ありがとうございました。

さてこの後は、新京極と寺町に行っておみやげ探しをしました。

書道については、寺町の鳩居堂に行って用紙などを購入しました。練習用には、百均に行って半紙や墨汁を買えば安いことを教えました。・・どうしたかな。(彼の話によれば、彼の国には朝鮮族の人々が住んでいるので安い筆やインク(墨汁)、紙は売っているとのこと)


(引用:FaveBook Tondaya Nishijin)

冨田屋さんが、中秋の名月の日に、神様を収めた蔵にそなえたすすきです。

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